2005年04月17日 (日)

トム・クルーズ「コラテラル」

我ながら昨今の映画事情にはとんと疎くて、以前はマメにチェックしていた雑誌、TV、ビデオショップの映画情報からも久しく遠ざかっているものだから、何が何時どのようにして公開され、世間一般、及び評論家筋からどう評価されているのかさっぱり。だから、何かの“ついで”に手に取るような作品は、どうしてもプロモーションが派手で、CMを頻繁に見掛けるようなインパクト重視のハリウッド系大作、話題作に偏りがち。

そんなこんなで、最近、ちょっと気になっていたトム・クルーズ主演「コラテラル」を手始めに鑑賞してみました。

Amazon.co.jp:コラテラル

結論から言えば、単純なサスペンスとしての期待感とは裏腹に、微妙に拍子抜け。カメラの温度や色彩、映像から伝わる冷たい雰囲気は情緒たっぷりにそれらしく作ってあるので、一見すると上等なスリラーにも思えるのですが、反面、話のディテールは想像以上に粗く、視聴者が傍観者になってしまう(即ち、客体的に思考できてしまう)時間があるので、少しでも考えてしまうと突っ込みどころ満載であったり。ご都合主義的な展開もそれなりに見受けられます。

加えて、主演のトム・クルーズさんなんですが、“初の本格的な悪役”という触れ込みの割には、到底、絶対悪には見えず、かといって怖い人にも見えず───実にいつも通りのトム・クルーズ。ある意味、ニコラス・ケイジとは別のベクトルで同類項というか、「トム・クルーズのハンサム(敢えて二枚目とは言わず)っぷりはともすれば間抜け(ギャグ)にも見えてしまう諸刃の剣」ではあるのですが、この至言は“トム・クルーズ”という存在自体の荒唐無稽さを表すと同時に、やはりトム・クルーズ映画はどうギミックしてもトム・クルーズ映画になっちゃうってことなんですよね。「何を演じてもキムタクになっちゃう」みたいなもんです。

ということで、一通り鑑賞し終わってから、何かもう一押しあれば……と心の中で思ってしまうのは、二時間ドラマならいざ知らず、映画としては何かが足りない証拠。語るも不可、語らざるも不可という感じで、トム・クルーズを含めて、作品性のフックとなる決め手に欠けるということですね。でも、総評としては、相変わらずトム・クルーズさんは格好良いし、“ザ・トム・クルーズ・ショウ”としては、作品の冒頭から終わりまで全体の一貫した流れを遮るものは見当たらないので、頭を空っぽにして、さらりと流して観るのには丁度良いんじゃないでしょうか。娯楽作品としては当たり障りのない佳作です。

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