2005年09月29日 (木)

とんねるずの石田さんのおかげでした

青春を彩った日々の映像が懐かしかった本日の特番「とんねるずの石田さんのおかげでした オールスター大感謝祭」。

往年のとんねるずには、「オールナイトフジ」とか「夕やけニャンニャン」とか「みなさんのおかげです」とか「ねるとん紅鯨団」とか「生ダラ」とか「ハンマープライス」とか「うたばん」とか色々あったけれども、以降、彼らも急激に老け込んでしまった印象があって、古き良き時代を知る人間としては随分と寂しい思いをしていたものです。丸くなったというのならそれもいい、大人になったというのならそれでもいい、成熟したベテランの色香というのもまたあるでしょう。でも、やっぱり若い頃には"やんちゃ"と"無鉄砲さ"で、無謀にも業界を蹂躙せんばかりの、それだけの張り裂けんばかりのエネルギーがあって、尖っているとかギラギラしているとかいうよりも、とにかく無駄にパワーがあったのがとんねるず。一つ一つの映像が、それを再確認する作業でした。

しかし、こういうセットからしてちゃっちい番組の形態は頂けない。個人的に、みなさんのおかげですのベストバウト、ベスト総集編、ベスト入門編にして最高峰の総括VTR集だと思っているのが、第一期の最終回SPかそれを前後して放送された3時間の総集編SPで、未だにその呪縛に捕われている部分はあるのですが、昨今のテレビ業界の弱体化を象徴するような、悪い意味での大衆迎合的とでもいうのか、安っぽい佇まいが気に入らない。安いんじゃないんだ、安っ"ぽい"んだ。かつてのとんねるずなら、それこそセットなんか本当に安いペラいちのベニヤ板でも良かったくらいなのに、今や馬鹿に迎合して虚飾にまみれている。そこが空虚でならない。

構成も散逸していて、時系列や焦点がぼやける分、間延びしていてキレがない。唯一の目的であり動機であった肝心の懐古映像も、細切れな編集では十分に堪能することが出来なかったし。せっかく2時間越えの枠を確保しても、これではまるで消化不良の生殺しといった感じです。世代的にフジテレビ局内のトレンドなのかもしれないけれど、「おかげでした」になって、特にここ最近は、特番を設けたと思ったら唐突に慰問を持ち出すような、こういう様式が増えている気がする。それこそ「おかげです」時代にあったように、ただ素っ気なくテーブルと椅子を並べただけのスタジオセットで、ただダラダラと過去の映像を垂れ流しては談笑する、それだけでいいのに。往年のとんねるずのコンテンツには、それで2時間軽く持つだけの馬力があるのに。本当に勿体無いことだ。

それにしても、若い時分、つくづく彼らは顔が広いなぁ、と感心することしばし。芸能にしろ、スポーツにしろ、業界内で顔が利く、それこそザギンのチャンネーとスーシーのノリを地で行く、そういうところも遠い世界を垣間見せてくれるようで、それでいてどこか小馬鹿にしたようなところがあって好きだった。

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