2005年10月03日 (月)

2005年4月25日 福知山線5418M、一両目の「真実」

padma colorsさんより。

--- The Ruins of Rail --- 廃線跡を旅する

福知山線脱線事故に巻き込まれた吉田恭一さんが、手記を公開されています。

本件に関しては、padma colorsさんを始めとしたブロゴスフィアの世論に多分に影響を受けており、見せ掛けの哀悼が、本心では上辺だけのポーズに終始していた感は否めません。しかし、不謹慎な野次馬根性と、さもしい興味本位から読ませて頂いたこの手記に、私はとても鈍い衝撃を受けました。この文章に対して私が語れる言葉はありませんが、心の奥底に投げ掛けられた波紋は、日毎にその動揺を広げています。

世間体からは身を引いた立場にいながら、少なくとも私の中では、あの事故はもう遠い日の記憶、忘れ去られた出来事でした。あの惨劇を生き抜いたとは俄には信じ難い当事者と、こうしてネットで繋がっている───そんな不思議な感覚の中に、被害に遭った者にしか書き得ない生の言葉の迫力を眼前にして、私は愕然とせざるを得ません。この文章を前にして、月並みなフレーズしか思い浮かばないのがもどかしい、しかし、この胸を掻きむしられるほどの痛みと、やはりあの凄惨な事故の記憶を風化させてはならないと、そのことを痛感させられます。語り継ぐべき歴史と教訓、我々にはその義務があります。

ARCHIVES

  • Browse All Archives [1745] »

RECENT ENTRIES