2005年10月05日 (水)

「一太郎」アイコン訴訟、ジャストが逆転勝訴

やや旧聞に属するニュースをクリップ。

「一太郎」特許訴訟、松下側が逆転敗訴・知財高裁

ジャストシステムの「一太郎」「花子」に特許権を侵害されたとして、松下電器産業が両ソフトの製造差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が9月30日、知的財産高裁でありました。

篠原勝美裁判長(同高裁所長)は、特許権侵害を認めソフトの製造・販売差し止めと在庫の廃棄を命じた1審判決を破棄し、松下側の請求を棄却する逆転敗訴を言い渡しました。判決は、5人の裁判官で審理する「大合議」で下されたといい、今年4月に知財高裁が発足して以来、「大合議」の採用は初めてだそう。これにより、ジャスト側は製品の製造・販売を継続できるとのこと。今後は、松下側が最高裁に上告するかどうかが焦点になるそうです。

ジャストシステム側の論拠としてMacが引き合いに出されるなど、思わぬところで接点があったこの裁判。「ジャストシステム逆転勝訴」の判決は、彼らにすれば一先ず安堵すべきものなのでしょう。双方の主張が真っ向からぶつかり、因縁浅からぬ界隈を賑わわせた裁判も、これで当面の決着を見るでしょうか。

しかし、今回は知財高裁での初と言っていい大きな裁判、その画期的とも評された、特許の意義に一歩踏み込んだ判決内容と、迅速な審理スピードにおいて、注目に値する案件でした。知的財産権の取り扱いに特化した裁判所だけあって、通常の合議とは一味違うところを見せつけた内容は面目を保つには十分で、あくまでもお飾りではなかったということですね。

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