2005年10月23日 (日)

「蟲師」開始

今秋の新番組も後発となる「蟲師」。量産型萌えアニメとは明らかに異なる雰囲気を放つ本作、いかほどのお手前で……

と意気込んでいたのにうっかり冒頭を見逃してしまったのは痛恨だったけど、なんか、ちょっと良かった。日本の郷土的な懐かしさを感じさせる、ちょっぴり不可思議で、もの悲しく叙情的な、ムード満点のおとぎ話。妖怪や八百万の神といった日本に古来から伝わる超常的な存在を総じて「蟲」と解釈し、彼らとの関わりの中から、現代に忘れがちな“畏怖”や“畏敬”、そして“自然”というものの存在を思い起こさせてくれる作品。雑誌でギンコのワンカットを見た時は作画のクオリティが心配だったのだけど、これは全くの意図したデザインで、杞憂でした。シンプルな造形は舞台背景にもよく馴染んでいて、却って奥行きが出ている。独特の世界観を象るのに一役買っています。

恐らく評論家筋に受けがいいと思われるこのアニメ、今季要注目なのは間違いない。ただ、放送時間が深過ぎるなぁ。深夜の3:45〜4:15だもの。それこそNHK教育やゴールデンで放映しても遜色ないせっかくの良質なアニメなのだから、夜更けに静かに嗜むのも乙だけど、やっぱりより多くの人に観て、触って、味わって貰いたいじゃない。それだけに勿体無いなぁ。

リンク:http://www.mushishi.jp/index.html

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