2005年11月22日 (火)

K-1GP 2005決勝大会、優勝はセーム・シュルト

ヒクソン・グレイシー vs 高田伸彦の「PRIDE」と共に、俄の格闘技好きとして草創期から拝見している「K-1」も、やっぱり最近の興行はイマイチ。創立理念ともなった「立ち技世界一決定トーナメント」というコピーはハッタリが利いていますが、レギュラーメンバーが固定されて久しい対戦カードは魅力に乏しく、野暮ったいショーアップが背中を押すマッチアップのお膳立てには、近代スポーツとしてのセンスが感じられません。所詮は村田舎のプロレス・イベントに過ぎなくて、「世界のトップアスリートが集まるグランプリ・スポーツ」っていう器じゃない。まあ、ここまで「K-1」に冷めてしまったのも、応援していたアンディ・フグやマイク・ベルナルド、サム・グレコが姿を消して以降、それに次ぐ魅力的なキャラクターが現れていないのが大きいのだけど。

そんな今年の「K-1」GP決勝大会は、セーム・シュルトが文字通り圧勝した模様。体格にも恵まれていた彼は、本質的には決して弱小な選手ではありませんでしたが、総合格闘技でも「K-1」でも損な役回りが多くパッとしなかったため、印象としては「化けた」という感覚が強い。しばらく表舞台から姿を消していましたが、決して腐っていた訳ではなかった、そのことにまず賛辞を送りたい。グラウベ・フェイトーザが決勝を戦う相手として力不足だった感は否めませんが、準決勝のレミー・ボンヤスキー戦を見る限り、そのプレッシャーは半端なものではなく、既に貫禄すら感じられる新王者は、その頂きに相応しい風格を持ち合わせています。昨今の「K-1」王者は短命なことが多く、これからはそう楽な試合ばかりではなくなるだろうけど、もしかしたらこの先5年、セーム・シュルトの時代がやって来るかもしれない、そんな可能性を感じさせる久々の大物選手です。見事に悲願を叶え、大成した彼に、おめでとう。

で、武蔵さんですよ。準決勝でKO負けを喫した彼、本人様には悪いのだけど、やっぱり強い武蔵は武蔵じゃない。トップグループを形成する欧州列強に比べれば、間違いなく、彼は弱いんです。ホームイベントだからって、2年連続準優勝なんてのが出来過ぎていた。それが自信となり勘違いを生んでしまったのか、「日本人は弱いという固定観念を植え付けてしまったのは自分の責任」などと自意識過剰にコメントしていた武蔵さんが痛々しかった。彼には強さなんて期待していません、初戦KO負けが彼のポジション。おかえりなさい、武蔵さん。

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