2005年11月30日 (水)

大相撲場所別平均視聴率、過去最低を記録

今年、NHK総合が中継した大相撲の場所別平均視聴率(関東地区)は、初場所から九州場所までの6場所全てで、集計のある1990年以降最低を記録したとのこと。ビデオリサーチの調べによると、

場所別に初日から千秋楽までの平均視聴率を集計した結果、ことし初場所が8.6%、夏場所が6.5%などと過去最低を記録。27日に終了した九州場所も、6.9%と過去16年間で最も低くなった。

という。

過去の視聴率では、若ノ花が大関昇進を決めた93年の名古屋場所が21.8%、貴ノ花が優勝した94年の初場所が21.5%などが高かった。

趣味も嗜好も多様化した現代、国民の相撲離れも進んでいて、若年層を中心に大相撲に対する需要は確実に減少しています。しかし、それを差し引いてもなお目に余るこの低調ぶりは、単純に今の大相撲がつまらないからだと思います。少なくとも、ミーハーな私自分の興味を惹くだけの魅力はありません。

例えば、力士の大型化が進む一方で、平均的な基礎体力が落ちているという実情は、取り組みに「キレ」や「華」を失わせる一因になっています。プロのアスリートというより、ただのおデブちゃんが量産されている現状では、相撲の内容が大味になるのも当然です。ただただ並の力士に浪費されるだけの取り組みの中では、豪者同士のぶつかり合いなど望むべくも無く、伝統としきたりに甘えた惰性の興行ではスターなど生まれません。例えば、人気者と言ったって、高見盛じゃあどうしようもない。その点では、今、唯一強者と呼べる朝青龍には期待が掛かりますが、しかし、それが「スターか」と問われれば、ちょっと考えてしまう。確かに朝青龍は強い、それどころか記録的な快進撃を続けている……でも、それはライバル不在の中、独り横綱で築き上げた数字。対となる力士が存在しない中で勝ち星を積み重ねても、そこにスターとしての価値は見出せません。記録だけが突出して見えるのは当たり前で、それをして横綱の真価を推し量るには不十分です。

私にとって、大相撲の世界でスターと呼べた力士はこれまで千代の富士だけ。それが仮に八百長に彩られたスター街道だったとしても、もし千代の富士と同じ時代に朝青龍が存在していたとするならば、今程際立った強さを拝むことは難しかったのではないかと思います。とはいえ、この時代に、千代の富士に匹敵する輝きを持った力士を求めるのも、また酷なことだとは思います。だからこそ、その分、首脳陣にはしっかりして貰わないといけません。役者を急ぐあまり、安易に大関や横綱を乱発して、ブランドを失墜させる様な真似だけは止めて欲しい。大相撲の本質はあくまでもプロスポーツであるという価値観に倣えば、それこそ興醒めというもの。今すぐ結論を出せる問題ではないのだから、先を見据えて、長期的な視野に立って、大事に人材を育成して下さい。

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大相撲視聴率、今年6場所すべてで過去最低

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