2005年12月11日 (日)

踊るレジェンド ドラマSP「逃亡者・木島丈一郎」

一連の「踊る大捜査線」シリーズの胡散臭さといったらなく、エンターテイメントとしては確かに楽しめるのだけど、素直に面白いと言えないのは、「踊る様式美」とも呼べる貫徹されたワークスタイルがどうにも食えないからに他なりません。妙に飾ったり格好付けたり、見栄を張ったり啖呵を切ったり、「踊る大捜査線」においてこれらの要素は決してケレン味としては機能しておらず、ミニチュアリズムに止まるものです。そういった(或いは実写アニメ的な)デフォルメが無ければずっと自然に楽しめるのに、とは常々思うところで、演出にしろ脚本にしろ、要所で漏れなくあざとさが鼻に付いてしまうのは、この作品の「売り」である「踊る様式美」の仕掛けを生理的に受け付けていないからだろうと考える訳です。

世間では大いに持て囃されているソフトなので迂闊に文句も言えないのだけど、テーマや素材はいいだけに、一寸惜しいというのがまず一つ。リアリズムを標榜するのであれば、あともう一歩踏み込んで欲しい、あともう一歩大人(客体的)になって欲しいというのが個人的な感想です。ただ、基本的に「踊る大捜査線」は荒唐無稽な喜劇であり、それも趣向としては「お漫画を実写でやってみました」的なノリの作品だから、「そういった角度で見るべき作品にあらず、揚げ足取りこそ無粋」と言われればそれまで。方法論が根本的に違うのかもしれませんね。

Photo:逃亡者・木島丈一郎

閑話休題、今回の「逃亡者・木島丈一郎」は、先日公開された映画「交渉人・真下正義」からスピンオフしたドラマ。警視庁捜査一課の刑事・木島丈一郎を主人公に据えた作品で、設定や背景などが映画と連動しているとのこと。先に「交渉人・真下正義」を観ていれば、多分、より一層楽しめるお得なドラマだったのでしょう。ちょっと癖のあるキャスティングと、普段の「踊る大捜査線」とは一味違った牧歌的な味付けで、大味なロードムービーとして楽しめました。

ツッコミを入れれば入れるだけ損をする内容でしたが、そこは寺島進さんの好演に救われた部分が大きく、どこか昭和の香りを漂わせるこのドラマの空気の根幹は、彼の醸し出す渋さや哀愁といったエッセンスに支えられていました。意外なことに、寺島進さんはこれがTVドラマ初主演だったとのことですが、コミカルな演技の中にも、流石の“いぶし銀”とでも言うべき強烈な存在感を放つ彼の所作は、もっと評価されてもいいと思います。結局のところ、「踊る大捜査線」がどうこうより、この曜日、この時間帯に、寺島進さんを主演に置いたドラマを2時間ぶっこ抜きで視聴出来たこと、私にはそれだけで充分なのでした。

リンク:
踊るレジェンド ドラマスペシャル『逃亡者・木島丈一郎』

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