2006年01月24日 (火)

幼女連続誘拐殺人事件、宮崎勤被告の死刑確定へ

東京都と埼玉県で88から89年にかけて、幼い女子4人が相次いで連れ去られ殺害された幼女連続誘拐殺人事件。誘拐、殺人、死体損壊など6つの罪に問われた元印刷業手伝い宮崎勤被告(43)の上告審判決で、17日、最高裁第3小法廷は、1・2審の死刑判決を支持し、被告の上告を棄却しました。4人の裁判官全員一致の判決で、10日以内に判決訂正の申し立てがない場合、死刑が確定するとのこと。

ライブドア強制捜査の一報ですっかり影が薄くなってしまいましたが、ようやく宮崎被告の死刑が確定。遺族にとっては、「死刑を以て然るべき」という“当たり前”の思いが結実するのに掛かった15年という年月は決して短いものではなかったでしょう。

際立つ異常性と残虐性……ブラウン管を通して伝えられる内容は幼心に衝撃的なものでした。“小児性愛”といった特殊な嗜好性から人物像に関心が集まり、「ロリコン」「オタク」などといった言葉がネガティブなロジックで大きく取り上げられるきっかけにもなりましたが、一方で、日本における犯罪の傾向・潮流が、それまでとは異なるフェーズに突入したことを予感させる事件でもありました。最近では、神戸児童殺傷事件が社会を震撼させるなど、その後も、犯罪史上に残る凄惨な出来事が後を絶つことはありません。

マスメディアに曰く、“異常な性癖”に因るところとされるこれらの犯罪は、この国が時として憂うべき状況に瀕していることを感じさせます。古今東西問わず、猟奇犯罪が世を騒がせる時、それは「文明が成熟した証」などといった見方が為されますが、リスクヘッジを伴ったアイロニーとするにはあまりにもやるせない、過酷な現実です。

リンク:
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