2006年09月14日 (木)

F1、M.シューマッハが今季限りでの引退を発表

モンツァ・サーキットで開催されたイタリアGPに勝利したフェラーリのミハエル・シューマッハは、その後のトップ3会見で今季限りでの現役引退を表明しました。また、フェラーリはリリースを発表し、ミハエルの引退に伴い、来季はキミ・ライコネンとフェリペ・マッサのラインナップとなることを明らかにしています。

特別な1日だった。今が適切なタイミングだと思う。これが私にとって最後のモンツァでのレース。そして今季限りでレースから引退することを決めた。とても難しい決断だったが、いずれはその日が来るんだ。

シューV!現役引退を発表

長い間、話し合いを続けてきたけれど、引退を決意した。レースを通じてお世話になった方々のお陰で、ここまでやってこられた。特に家族に感謝したい、父や、亡くなった母、そして妻のコリーナや子供にも感謝したい。フェラーリでの日々は特別だった。今が決断するのにいいチャンスと思った。グレイトなチームメイトにフェラーリを任せたい。今は、最後のタイトル獲得に全力を傾けたいと思う。

シューマッハー、今期限りで引退!

M.シューマッハの引退会見で締めくくられたモンツァの喧騒。スピードの聖地は静かな余韻に包まれました。

メルセデスに才能を見出され、F1参戦後はブリアトーレ率いるベネトンに育てられたM.シューマッハ。自らが最も尊敬したアイルトン・セナの悲劇を乗り越えて、彼は名実共に史上最強のグランプリ・ドライバーへと成長しました。F1パイロットとしての15年にも及ぶキャリアの中で、ハイライトを飾ったフェラーリ・イヤーズは、F1史上に残る記録男の象徴であったと言えるでしょう。

セナが亡くなり、F1を背負うことを義務付けられたミハエルは、そのプレッシャーに打ち勝ち、稀代のヒーローとなりました。タイトルに執着するドライビングと政治力、彼のいわゆる“ダークサイド”は時に物議を醸しましたが、それすらも即ち「ミハエル帝国の時代」であることを証明していました。F1を知らない人間でも、セナとシューマッハの名前くらいは知っている───それほどに“ミハエル・シューマッハ”という名の偶像は大きかった。

晴れ晴れとした表情で会見に臨んだ彼の姿からは、まだ引退のリアリティが湧きませんが、時代を築いたアスリートの引退は、いつの時も寂しく、名残惜しいもの。来季、M.シューマッハの居ないF1を観戦して、初めてその代え難い存在感と、幾許かの喪失感を実感するのだと思います。正直、ミハエル程のドライバーならば、まだまだこの世界で戦って行くことは出来るはず。しかし、過酷なF1界の第一線で活躍し続けるには、私たちが想像する以上の肉体的・精神的プレッシャーに晒されることになるのでしょう。とにかく今は、その偉大なるドライバーの勇気ある決断に敬意を表し、お疲れさま、と言ってあげたい。

現在は、今季の残りのレースに向けて100%集中していると話すM.シューマッハ。ドライバーズタイトル争いでは、3戦を残して、トップ・アロンソとの差は僅かに2ポイントとなっています。どのような結末を迎えるにせよ、最終戦はよりドラマティックに、そして鮮やかに、全てのF1ファンの脳裏に刻まれることでしょう。ミハエルが逆転でワールドチャンピオンなんかになってしまったら、ちょっと格好良過ぎるなぁ。

リンク:
「これほどいい形でフィニッシュできるのはこれが最後」とシューマッハー
シューマッハー「100%の力を今後もキープできるかどうか自信がなかった」

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