2006年09月23日 (土)

SCE、PS3廉価版の価格を引き下げ

SCEの久夛良木健代表取締役社長兼グループCEOは「東京ゲームショウ2006」の基調講演後のトークセッションで、「プレイステーション 3」HDD20GB版にHDMI出力端子を標準搭載し、価格を49,980円(税込み)に改めることを発表しました。

久夛良木健氏講演で「PS3」20GB版の新価格を49,980円と発表

「TGS 2006」1日目が終了し、並み居る注目タイトルの動静を押さえて、最大のサプライズだったのは「PS3」の値下げです。最近のソニーの振る舞いを見ていると、1万円強の値下げだけでも素晴らしく良心的な対応に見えてしまいますが、翻れば、それだけ戦略に一貫性を欠いているということでもあります。今回の仕様変更によって、先の発表で叩かれた部分がある程度解消された訳ですが、久多良木社長は

「日本のユーザーとメディアは、消費税込みで6万円を超える価格は高いと言って、なかなかおさまらない」

SCE久多良木社長:PS3廉価版の価格を引き下げ、4万9980円(3)

と語っており、流石に現状のままでは不味いと判断したのでしょう。そもそも、HDMI端子すら搭載されていない劣化版を、果たして本当に59,800円(税抜き)で売る気だったのか、今となっては定かではありませんが、

「量販店で薄型テレビを買えば、その時に付くポイントで『PS3』を買える」

Wii/PS3 家庭用ゲーム機“冬の陣” 業界の方向性を左右

などと宣ってしまう方が、市場の反応を見て冷静な判断を下せたというのは、ある意味で驚きでもあります。

ただ、いずれにしても、今回の値下げはユーザーにとっては素直に歓迎できるものです。次世代機の中でも、頭一つ抜けて高価なハードであることに変わりはないのですが、「PS2」のスタート価格が39,800円だったことを考えれば、ギリギリ「ゲーム機」として買える許容範囲内ではあるでしょう。これでようやくスタートラインに立てたな、という感じです。

久夛良木氏の基調講演は、WEBやインターネット文化に対するPSホルダーとしてのビジョンが中心で、ゲーム展示会としては異例だった。内容についてもWEB2.0の後追いで独自性に欠けた。発売を直前に控えたPS3の新情報がほとんど見られなかったことも驚きだった(新作ゲームの予告編トレーラーは「リッジレーサー7」など5本のみで、実機デモなどはなかった)。確定情報は事実上PS3下位モデルの価格改定とHDMI端子搭載のみで、発売後の展開なども不明だった。

【TGS2006】「この10年間より次の10年間の方が遙かにおもしろくなる」−−SCEI久夛良木氏による基調講演

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