2006年09月27日 (水)

本日の仮面ライダーカブト(09.24)

Photo:仮面ライダーカブト:高鳥蓮華

仮面ライダーカブト:「第34話」

剣坊ちゃまの“ショ・ミーン”を知る旅が気を吐いたお陰で、ハイパーカブトの覚醒が霞んでしまった第34話。朝の食卓を囲んで戯れるゼクター達の何と愛らしいこと……

ハイパーカブト覚醒編でキーとなっていたのは、ひよりと入れ替わりで登場したニューヒロイン高鳥蓮華。キャピキャピの娘っ子だった前編とは異なり、後編では一転してシリアスな表情を見せました。天道様の従順な部下として彼をサポートする傍ら、その裏では三島の腹心としてカブトの動向を監視する彼女。“旨さとは罪、戦士としての崇高な精神を堕落させる”と訓示し、心を閉ざしていた彼女に対して、料理を通じ、“喜ぶ顔がもう一度見たかった”と切って捨てる天道様。

「お前はここから始めろ。俺も始める。」

光の料理人正当後継者・天道様渾身のオムライスは、蓮華にとって空白の7年を埋めるには十分だったということでしょう。それは懐柔などといった野暮なものではなく、単純に、“天の道を司る男”の親切心、おせっかい心の現れ。自らを殺そうとした相手にすら手を差し伸べて見せる、そんな天道様に彼女が惹かれるのはごく自然な流れだったと言えます。実際、世話焼きの天道様にしてみれば、案外、お似合いの組み合わせなんです、この2人。ちなみに、演じる手嶋ゆかさんは、どこか山田優さん系統の面影を感じさせるセクシーな顔立ちをされていますが、そのめんこいルックスと引き換えに、演技力は乏しい様です。激しい棒読みで迫る立ち回りは圧巻と言えましょう。

さて、いよいよハイパーカブトへの変身を遂げた天道様。断末魔は思わず普通の女の子になってしまったウカワームと共に爆散したハイパーゼクターですが、カブトが天高く掲げた左手には、時空を超えて舞い降りた“未来”が握られていました。

ハイパーゼクターの暴走によるひよりちゃんの失踪以降、「仮面ライダーカブト」は怒濤の超展開続きで、置いてけぼりを食っている視聴者も多いことでしょう。特に、時空をも跨いでしまった今週の放送はいっそチープですらあり、これまでにカブトが築き上げたリアリティもどこか足元が揺らいでいます。再び“絶対最強”の座を取り戻したカブトですが、時間を巻き戻せる「ハイパークロックアップ」の存在によって、言わば「何でも有り」の状態に突入した本編。加賀美君よろしく、“死”の重みすら消し飛ばしてしまったハイパーカブトが物語の舵を取る以上、何か相当な枷がなければ、終盤の展開をまとめ上げるのは難しい作業に思えます。

それにしても、ハイパーカブトはこれまたカッコイイ。あのゴテゴテ感と、また、冷却フィンを解放するかの様な「ハイパークロックアップ」時の展開ギミックが堪りません。既存のライダーベルト、カブトゼクターと連動した演出も秀逸で、印象が唐突だった昨年の響鬼さんよりは、カブトの進化系としてよく考えられています。ただ、アクション面では、ノーマルカブトの様な洗練されたストイックさには欠けており、物足りないところ。ハイパーキック時のブースト効果など、CGに頼り切った演出がもう少し控え目なら、もう少しアクションに重みがあったなら、ここまで安っぽく感じることもなかったでしょう。その点、「DX ハイパーゼクター」のTVCMは良く出来ているなぁと、妙に感心してしまったりもする訳です。

「次回予告」

ここ2週での圧倒的な墜落ぶりが見事だった“ザ・小物”こと影山。あまりにも可哀想で、笑いと悲しみの涙が止まりません。

地べたを這いずり回ってこそ、見える光があるんだ……
だが期待するな。
どうせ俺達には一生見ることはできない……

矢車の言葉に突き動かされた影山は、いよいよ亜流のライダー“パンチホッパー”へと変貌を遂げることになります。となると、欠番状態のザビーゼクターは、抜け殻となった三島の手に握られることになるのかな……などと予想しつつ、まずはホッパー兄弟のお手並み拝見です。

リンク:仮面ライダーカブト:キャスト

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