2006年11月20日 (月)

PS3、PS用及びPS2用タイトル約200本で不具合

既報の通り、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、11月11日に発売された「プレイステーション3」で、PS用、PS2用のゲームソフトの一部タイトルが正常に動作しないことを発表しました。

「プレイステーション 3」で「プレイステーション」および「プレイステーション 2」規格ソフトウェアタイトルをお楽しみいただくにあたって

確認されている不具合は、画像表示や音声再生が正常に行われない現象などで、14日時点で、約8000タイトルの内約200タイトルが該当。現在、動作ステータスが確認出来るサイト「PLAYSTATION 3におけるPSおよびPS2ソフトウェア動作ステータス検索」を公開しています。

http://www.jp.playstation.com/ps3/status/

「PS2」でPS2用タイトルをプレイする場合でさえ、型番によっては互換性に問題がありました。そういう意味では、Emotion Engine+Graphics Synthesizerチップをそのまま搭載しているとはいえ、不具合が生じるのは予想の範囲内。特に驚きはありません。ただ、この事実を発売日まで一切公表しなかったことに、SCEの底意地の悪さは感じました。

むしろ今回の騒ぎでは、事前に100%の互換性を保証すると久多良木社長自らが宣言していたことと、その後の開き直りとも言えるSCE広報の発言に批判が集中しているのではないでしょうか。

PSおよびPS2のソフトは8000〜9000ある。問題があるのはその一部のソフト。音が聞こえない程度であれば、我慢すれば遊べるので問題ないと思う人もいるだろう。ハードの進化による非互換の問題は他社(のゲーム機メーカー)を含めて業界として知られていること。当初から互換率は100%ではないと考えていた。

PS3発売日の11月11日までにソフトの動作に対する修正をするため、我々は寝ずの作業を続けるなど、最大限の努力をしてきた。

http://review.japan.zdnet.com/news/c20311967.html

など、無神経な発言もいいところで、自身が売っているハードと、またゲームそのものに対する理解がないと斬って捨てられても当然です。「寝ずの作業を~」などという恩着せがましい台詞は、たとえ心の中で思っていたとしても普通顧客に言ってはならないことで、印象はすこぶる悪い。ことあるごとにゲーマーと消費者の神経を逆撫ですることで有名な久多良木社長その人に負けず劣らず、SCE広報も中々と不用意な発言をするものです。

ちなみに、現在発生している不具合については、ソフトウェアアップデート等で対応する予定とのこと。EE+GSチップの搭載は、Cell上のエミュレータで前世代機タイトルとの互換性が確保出来なかったことに対する応急処置でした。それに加えて、出荷台数の少なさ、ロンチタイトルの貧弱さなど、諸々を含めて考えると、現状「PS3」は見切り発車であったと言わざるを得ません。やはり、発売を再延期してでも、もっと内容を煮詰めるべきではなかったのでしょうか。

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