2007年03月28日 (水)

「機動戦士ガンダムUC」公式サイトオープン

ガンダムエースで連載中の小説「機動戦士ガンダムUC [ユニコーン]」のWebサイトがオープンしました。オープンに合わせて、期間限定で「Prologue」の全内容を収録したPDFファイルが無料公開されてます。

機動戦士ガンダムUC [ユニコーン] MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN

「機動戦士ガンダムUC [ユニコーン]」は、「月刊 ガンダムエース」2007年2月号より連載されている福井晴敏の小説作品。メカニックデザインをカトキハジメ、キャラクターデザイン / 挿絵を安彦良和が担当します。主な舞台を「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から3年後の宇宙世紀0096年とする正統な宇宙世紀ガンダムの新作で、物語は宇宙世紀元年に起きる事件が始まりとなり、中核を構成します。

Image:Mobile Suit Gundam Unicorn

宇宙世紀をテーマとした文芸発の新ガンダムは、複合的な展開をも視野に入れた、市場を超越するプロジェクトとして立ち上がりました。個人的には、最終的に映像化されないと触れる機会はないと思いますが、宇宙世紀にまた新たな歴史がでっち上げられることになった、と言ってしまったら語弊があるでしょうか。福井晴敏氏の紡ぎ出すガンダム世界には関心があり、また、CCA直後、ジオンがまだ自治権を所有している時代の地球圏がどう描かれるのか、興味は尽きませんが、どうにも色物感が拭えません。

それは、神獣ユニコーンを模したMSのイメージイラストに因るところも大きいのですが、企画の全貌が明らかになった時、これは少々新しいことを狙い過ぎているのではないか、そんな抵抗感を覚えました。完全新作をやるのであればそれでいいかもしれませんが、ガンダム、それも宇宙世紀という基礎・土台を利用するのであれば、侵してはいけない、壊してはいけないテーゼもあるのではないでしょうか。

制作側としては、そういった保守的な固定観念や先入観の打破を“新たな可能性の提示”として意図したのかもしれませんが、まさか宇宙世紀の世界に神話をモチーフとしたハイカラなガンダムが登場するとは思いませんでした。ユニコーンのデザインにしても、もはやガンダムの記号すら残さないこれは、スパロボなのかバーチャロンなのか……斬新さはあってもいい、しかし、奇をてらった造形やギミックはNG。本来であれば、そんな繊細なバランス感覚が要求される宇宙世紀の世界観に対して、カトキハジメのデザインはプログレッシブ過ぎる気がします。

もう宇宙世紀に新作はいらない、死虐はせめてSEEDでやってくれ、そんな繰り言が口を出ては元も子もありませんが、まぁ、ガンダムというブランドを使う意味、そして宇宙世紀である意味を模索し、その本質を追究することで、連綿と続くムーブメントに想いを馳せるきっかけにはなるかもしれません。「∀ガンダム」が“ガンダム”の俯瞰と総括であったとすれば、「機動戦士ガンダムUC [ユニコーン]」は、もう一度“宇宙世紀”を、アムロとシャアの生きた100年の時代を俯瞰しよう、ということでしょうか。福井晴敏氏には、宇宙世紀というファクターと与えられた素材を最大限にまで生かし切って貰いたい、そう願うばかりです。

なお、公式Webサイトは、小説の連載に合わせて定期的に更新される模様。今後の展開に期待したいです。

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