2007年03月31日 (土)

本日のお届けもの:HCMP シャアリック・ドム ほか

ハイコンプロの精密感や密度感の演出は、独自のモールドやパネルラインに因るところが大きい、というのは恐らくハイコンプロファンの誰もが認めるところ。それこそがハイコンプロの魅力だと思っていた私にとっては、スペシャルペインテッド及びニューマーキングバージョン以降の路線変更は一寸納得の行かないもので、自らアイデンティティを放棄する様なものだとさえ感じていました。有象無象の玩具やプラモデルに迎合して欲しくない、ブランド価値を反故にする真似だけは止めて欲しい、そんなネガティブに染まりきった思考も、しかし、実際に商品を手に取ってみるとこれが案外悪くないもので、ブランドコンセプトを失わない程度に、まぁ何とも無用な心配だったことに気付かされます。これも間違いなくハイコンプロの一翼を担う商品だと思い直すのに、時間は掛かりませんでした。

マイルームのハイコンプロコレクションがいよいよ40体にも迫ろうかという今日の目で顧みれば、曰く付きのホビー事業部の中でも、ハイコンプロ開発チームにだけは全面的に信頼を置いても良いのではないか、彼らの仕向けるまま赴くままに身を委ねてしまっても、もはや間違いようのない高いレベルにまで彼らの意識は到達してしまっているのではないか、そんな錯覚さえ覚えます。

今回のニューマーキングバージョンからパッケージが変更され、中身がより見易いレイアウトに、外箱もパッと見で何のアイテムか判別出来るよう洗練されたデザインにリニューアルされました。内部ブリスターには、余剰パーツを収納するスペースが設けられており、また、MS本体は帯を外すことで簡単に取り出しが可能で、従来の透明の合わせ蓋は無くなっています。

Amazon.co.jp:HCM Pro 04-02 リックドム

ニューマーキングバージョンは、従来のパネルラインを廃し各部にタンポ印刷による精彩なマーキングを配置、全体のカラーリングをアニメ調に変更したカラーバリエーションです。No.00と比べて300円程値上がりしていますが、良心的とは言わないまでも、商品のクオリティを考えれば、許容範囲内の価格設定ではないでしょうか。衆目が認める要素とは言っても、ハイコンプロ立ち上げ当初から現在に至るまで、独特のパネルラインに関しては否定的な声も根強いので、選択肢が増えるのは良いことです。

ベースの紫は、No.00のものよりもかなり濃い群青色ですが、締まりのある色合いで落ち着いており、好印象。胸部装甲の塗装は艶消しから光沢に変更されていますが、アクセントとしても果たしてこれが正解だったのかどうかは図り兼ねます。握り手は「G-BOX ジェット・ストリーム・アタックセット」と同様の穴開きのものが付属していますが、その他の金型に変更はありません。

私が手にした個体は残念ながらハズレだったので、塗装の粗さが目に付きました。素体の建て付けに問題はありませんが、胸部の塗膜は厚ぼったくぼってりとしていて、首回りの装甲などはドロドロ。デカールは糊しろ部分が白濁している物もあり、とにかく仕上がりが悪いです。かといって、これが不良交換品に該当するほどの醜悪な代物とも思えないので、我慢する他なく、少なからず意気消沈。

Amazon.co.jp:HCM Pro SP-002 シャア専用リックドム

一方のSP-002「シャア専用リック・ドム」は、ゴーグルが若干曇ってはいるものの、マーキングは極めて精緻、塗装も及第点で、概ね問題のない仕上がり。ベースのメタリックレッドは、いぶした様な若干くすんだ色合いですが、レギュラーアイテムと並立すれば明らかに浮いており、一際派手で下品。しかし、この渋さと安っぽさが同居するB級チックな佇まいがたまらなく素敵で、値段なりの満足感を得られています。思わずSP-001「サザビー」にも手を出したくなってしまう、という意味では、まあ大層罪な商品です。

今回の2商品は、ドム大好きっ子としては確実に押さえておかなければならなかった商品だけに、「リック・ドム」の仕上がりには凹んでいますが、通信販売を利用している以上、たまにはこんなこともあるでしょう。一定の水準以上であれば、細かい粗には目をつぶる寛容さと、妥協、諦めも肝心です。ただ、まあMS-09系はこれくらいにして、そろそろ「リック・ドム・ツヴァイ」や「ドム・トローペン」といった新規金型の商品展開にも期待したいところです。

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