2007年05月04日 (金)

本日のお届けもの:HCMP 陸戦型ガンダム ほか

私は、ハイコンプロブランドを少々買いかぶり過ぎていたのではないか。そう思わせるほど、4月度の新商品はあまねく品質が悪かった様です。私も、特別に悲惨な個体を引かない程度に、レギュラーなハズレアイテムをゲット。塗装のムラ、汚れ、接着剤のはみ出し、ゲート跡、なんでもござれ。当然のことながら、こういった返品交換レベルに値しない程度の微妙な酷さが、通販を利用する上では最も堪えます。尤も、今回はパッケージを選別出来たところで、どの個体も満遍なく粗悪な品質な物件に当たることになるので、選択の余地はありません。逆シャアシリーズも終盤に差し掛かったある時期から、俄に品質の低下は囁かれていましたが、これではSHCM Proにリソースを割き過ぎてしまったのではないかと邪推されても仕方がありません。

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HCM Pro 39-00 フリーダムガンダム

人形は顔が命!にあって、“縦に潰れたマントヒヒ”と揶揄された顔面の酷さを筆頭に、コンプロ史上稀に見る塗装品質の悪さが話題となった曰く付きの物件。

ざっと見る限り、種ものに共通してパネルラインやライン塗装が省かれている為、全体的に情報量が不足気味です。下半身に顕著なディテール不足はのっぺりと間延びした印象を与えるもので、その分、要所の塗装の粗さが際立ちます。また、股関節の軸位置が下方向にずれ込んでいるので、派手なポーズを付けずに素立ちで飾っていると若干のバランスの悪さが気になるところ。ただ、件の顔面の出来は、思ったより悪くはないと感じました。マスクの“への字”部分の印刷が太ましく、また、側頭部のダクトが塗られていないので、顔の中央に情報が密集している所為、視覚が損なわれている嫌いはありますが、しかし、造形そのものは及第点で、むしろこの悪役面は設定に忠実と言えるのではないでしょうか。顎が別パーツで分割されているなど見所もあるので、個人的にはそこまで責め立てる理由はありません。全体的なプロポーション、シルエットは劇中のスマートなスタイルに近く良好で、翼もシャープで長く、ボリュームがあります。ハイマットフルバーストを再現出来るだけのギミックを搭載し、可動にも不満はありません。

まあ、ここまで悪評が目立ってしまったのは、先行した直系MS「ストライクフリーダムガンダム」の完成度の高さ故でしょう。ディテールからカラーリングに至るまでの優れたバランス感覚とシャープなエッジ、また、端正で男前にアレンジされた精悍なマスクは、当時の決定版とも評された傑作キット。「フリーダムガンダム」のボディバランスは、決して「ストライクフリーダムガンダム」に引けを取らないばかりか、むしろ熟成が進んだ分だけ秀でていますが、並程度の物件では印象論で劣ってしまうのも致し方ないと思われます。しかし、それを勘案してもなお、この塗装品質の悪さは褒められたものではありません。

http://www.gundamer.com/01/g20_05_08_04.html [GUNDAMER.com]

「フリーダムガンダム」といえば、2005年に行われたガンダマー・ドットコムの商品化要望投票で堂々1位を飾ったMS。満を持して登場した真打ちが何故こんな酷いことになってしまうのか、理解に苦しみます。タダでは売れないマイナーMSにはたっぷりと気合いを注ぎ込んで、その一方、出せば売れるだろの人気MSにはとことん適当な仕事をやっつける、そんな投げやりなコストマネージメントはホビー事業部の悪い癖です。

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HCM Pro 38-00 陸戦型ガンダム

一方、「フリーダムガンダム」の陰に隠れがちですが、「陸戦型ガンダム」も塗装が非常に雑で、特に顎、胸部の汚さが目立ちます。しかし、タンポ印刷によるマーキングは精緻でムラがなく、何よりも、シャープなモールドアレンジによりディテールアップされた情報密度は特筆に値します。惜しむべくは、ビームライフルが付属していないこと、バズーカを担げないこと、銃器をフック出来るハンドパーツが無いことくらい。値段は跳ね上がったものの、それに相応しいだけの情報量は有しており、塗装以外に文句はありません。

イメージ的には、MGをそのままダウンサイジングした感じで、頭でっかちなところはそのままに、無骨で野暮ったいもっさりプロポーションが見事に再現されています。握り手の関節が異様に長く不格好ですが、敢えてフォルムをデフォルメして陸戦兵器らしさを強調していると考えれば、そのスタイルにも納得が行きます。全高は「RX-78-2 ガンダム」とほとんど変わりませんが、その小さな機体に精密な可動と濃厚な情報がギッシリと詰まっており、プレイバリューの高いお得な商品と言えるでしょう。詰めの甘さを不問とすれば、複数買いは必須です。

なお、「陸戦型ガンダム」はカメラアイが塗装表現ではなくクリアパーツになっています。個人的には歓迎すべき回顧ですが、「フリーダムガンダム」を見る限りサイズの問題で塗装が実現しなかったということではないので、ホビー事業部としても試行錯誤の段階と見るべきなのでしょうか。

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