2007年05月05日 (土)

アマゾンジャパン「マーチャント@amazon.co.jp」

Amazon.co.jpのサイト内に小売業者が専用ストアを構築し、出店できる「マーチャント@amazon.co.jp」がスタートしています。

「楽天とは違う」——Amazon.co.jpにショッピングモール
企業が専用ストアを作成できる「マーチャント@amazon.co.jp」

米Amazonが2002年に開始した「Merchants@」サービスの国内版で、ショッピングモール国内最大手である「楽天市場」の出店システムとは異なり、商品分野や品質、在庫、サービス水準などがAmazon.co.jpと同等の基準と認めたECサイトに対して、アマゾンから出店を依頼する仕組みとなっています。出店者は専用のストアページを構築して商品を紹介できる他、Amazon.co.jpの商品ともシームレスに検索が可能。リコメンドやカスタマーレビューなどAmazon.co.jpが持つ各種機能にも対応し、アマゾンが直販する商品と同列に販売することが出来ます。アマゾンにとっては低コストで商品ラインナップを強化でき、出店者にとっては売り上げアップを見込めるという、双方向に魅力的なシステムとなっています。

予告通り、Amazon.co.jp版ショッピングモールがオープンしました。アマゾン側からのアプローチを要し、一定以上の品質を確保したブランドショップのみが出店出来るというシステムは、「楽天市場」などの集合型ショッピングモールとは考え方が異なります。しかし、店構えまでのハードルが高い分、品質の良い店舗が出店することになるので、Amazon.co.jpへの信頼を担保する意味では非常にクレバーなやり方だと思います。企業にとっては、契約料等が必要なく、売上から手数料を徴収するというビジネスモデルは明瞭です。これにより、例えば、製造元の直販では高価な商品も、競争促進による価格引き下げなどのメリットが見込めるのではないでしょうか。

利用者にとっては、基本がAmazon.co.jpの仕組みであり、アマゾンが担保した店舗だという安心感があるので、特に小売り別を意識することはありません。しかし、一方ではこれが曲者で、Amazon.co.jp内を検索して複数店舗の商品がヒットした場合、検索結果にはそれがどの店舗の商品であるのかが表示されません。マーケットプレイスの一部でもこれに近い運用が為されていましたが、店舗を跨いでシームレスに検索出来ることにはアドバンテージがある一方、自分がどの店舗から商品を購入しようとしているのかが明確でないのはデメリットでもあります。この辺りは、まだまだ「楽天市場」ほど洗練されてはいない印象で、不親切だと感じるのが現状です。とはいえ、今後店舗数が増加して行けば少なからず「楽天市場」と競合する部分も出て来るので、楽観視していてもいいのではないでしょうか。

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