2007年05月28日 (月)

攻殻機動隊 S.A.C. / S.A.C. 2nd GIGがDVD-BOX化

シリーズ累計出荷枚数150万本を超えた人気アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のDVD-BOX化が決定しています。1stシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX」は7月27日に、2ndシリーズ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG DVD-BOX」は8月24日に、それぞれ定価42,000円で発売予定です。

1stシリーズ、2ndシリーズ共にDVD7枚組で構成され、全話に日本語音声と英語音声の5.1chサウンドを採用。特典映像として、単品版収録の「タチコマな日々」のほか、北米版プロモーション・ビデオやオープニング映像集などを収め、更に、封入特典として設定資料集、ブックレットが同梱されます。

Amazon.co.jp:攻殻機動隊 S.A.C.Amazon.co.jp:攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

原作漫画とも劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とも異なる第三の攻殻機動隊が描かれたS.A.C.シリーズでは、原作や劇場版へのオマージュを随所に散りばめた完全オリジナルストーリーのパラレルワールドが展開されました。「電脳化・義体化社会における人間の定義」という原作のテーマを内包しつつも、主題は現代の世相にも通じる諸問題への対峙に向けられています。

神山健治版攻殻機動隊の1stシーズンは、一話完結の短編と劇場型犯罪を模写する「笑い男事件」の二本立てで、ポリスアクションのノリとSFサスペンスの巧妙さを前面に押し出した娯楽色の強い作品にまとめ上げられました。続く2ndシーズンでは、「孤別の11人」によるテロを発端とした複雑怪奇な物語が壮大なスケールで描写されており、一方では押井守色が色濃く反映された内向的な作風が特徴となっています。ストーリーコンセプトに押井守が参加した2nd GIGは好みが別れるところで、押し売り感の強いリアリズムは一にも二にもまどろっこしく、1stシーズンに比べて幾分パワーダウンした感は否めませんが、それでもエンターテイメントとしては水準以上のクオリティを有しており、ジャパニメーションの代表格にも数えられる攻殻機動隊ブランドの沽券に差し障らない程度に、一定の完成度を誇る優等生的なアニメーションに仕上がっています。

ただ、何といっても、個人的には「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の第2話「暴走の証明 TESTATION」がお気に入り。菅野よう子女史による印象的なBGMをベースに、哀愁漂う叙情的な物語がもたらす余韻には格別な味わいがあります。しかし、大衆を煙に巻いてみせることを得意とするS.A.C.シリーズにあっては、「暴走の証明 TESTATION」といったストレートな活写ばかりではなく、雰囲気は好きだけどお話はあんまり理解していない、といった風なエピソードも多いので、それだけ繰り返しの視聴に向いた作品であるとも言えるでしょう。

タチコマのラブリーな魅力が炸裂する「タチコマな日々」S.A.C.版 全26話 / S.A.C. 2nd GIG版 全26話も完全収録し、映像特典、封入特典を充実するなど、それだけでも保存版に値するDVD-BOX。廉価版としてリリースされるだけに単品版を揃えるよりも約4万円お得になっていますが、それでも決して安価とはいえない値段がネックになりそうです。

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