2007年05月29日 (火)

ZARDの坂井泉水さんが死去

ZARDのボーカルで作詞家の坂井泉水さん(40)=本名・蒲池幸子さん=が27日午後、脳挫傷のため、東京都新宿区の慶応大学病院で死去しました。

坂井さんは昨年6月に子宮頸癌を患い、闘病生活を送っていましたが、今年4月には肺への転移が見つかり、再入院していました。所属事務所などによると、26日早朝、日課の散歩後に病室に戻る途中、病院の非常用スロープの踊り場から足を滑らせ転落、後頭部を強打したという。

昼間のニュースで第一報を知り、思わず驚きの声を上げてしまいました。あまりにも突然の出来事に言葉がありません。どちらかといえば好きではない部類に入るアーティストでしたが、小中学生の頃は大黒摩季と並んで、周りの女子の間でのムーブメントが凄まじく、当時はどんな場面でも必ずZARDが流れていたので、あの時代の思い出の一部にぽっかりと穴が空いてしまった様です。

ZARDとしてのデビューは1991年、昨年デビュー15周年を迎えたばかりでした。最近は人気もすっかり落ち着いていた印象ですが、90年代のJ-POPシーンをリードした音楽グループのシンボルであり、一時代を築いたアーティストであることは間違いありません。キャッチーなメロディに清涼感のある歌声といった中庸を極めたZARDの音楽性は、それだけ歌い易いということで、カラオケ愛好者層に根強いファンを持っていました。私の世代では、「揺れる想い」や「負けないで」といったヒット曲の知名度の高さは語るに及ばず、一方で、好き嫌いに関わらず、あれだけの人気を獲得し、売れてきたという事実は単純に凄いことで、J-POPシーンの閉鎖性を考えても並大抵のことではなく、他の誰もがマネできるものではありません。ポップシンガーとしてこれだけ幅広く受け入れられたという実績は、彼女の資質以上に、努力の賜物であったのだろうことが想像できます。

表舞台には一切姿を現さない、というミステリアス・プロモーションの代表格であったZARDだけに、彼女の素顔は謎に包まれており、人柄までもを伺い知ることは出来ません。ただ、もう40歳にもなっていたんだなぁ……変な言い方をすれば、癌で闘病中であったことよりも、その若さでの死よりも、むしろそこまで年輪を刻まれていたことに驚愕してしまいました。それもこれも、ベールに包まれたまま人生を駆け抜けて逝ってしまった坂井泉水さんだからこその感覚です。美人薄命とはよく言ったものですが、一時は自殺かもしれない、との報道も流れた衝撃的な事故。苦しい闘病中のアクシデントだけに一寸釈然としない苛立ちと、痛ましい残酷さだけがこだまします。合掌。

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ZARD坂井泉水さん、闘病中の病院で転落死
ZARDの坂井泉水さんが転落死

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