2007年06月02日 (土)

世界初のGPUを使った画像編集ソフト「Pixelmator」

各所で話題になっている「Pixelmator」がプレビューされています。

Pixelmator

「Pixelmator」は、世界初のGPU(Graphics Processing Unit)を使用して処理を行うフォトレタッチソフト。GPUを活用することにより、より高速な処理が可能であるとしています。効果を加えた後の様子をリアルタイムにプレビューできるリアルタイムプレビュー機能が特徴で、現在はMac版のみが用意されています。Mac OS X 10.4 Tiger以降に対応、価格は59ドルで7月後半リリース予定。

ムービーはこちらから。

TUAW Exclusive: Video of Pixelmator in action

ベースになっているのはImageMagickで、Core ImageやOpenGLの他、Cairo、Sparkleといったグラフィックライブラリを駆使しており、Automaterにも標準対応しています。「Photoshop」と同等の加工を可能とする豊富な機能を搭載し、PSD形式のレイヤーをサポートするなど互換性も確保。その他、100以上のフォーマット、選択や色調補正、各種ツールなどをほぼフルサポートしており、フィルタも50種類以上を備えています。

Image:Pixelmator

オンチップである「MacBook」での動作が保証されるのかどうかが気になりますが、とりあえず現時点で用意されているのがMac版のみというのがまず偉い!Macに最適化された、まさにMacユーザーの為のアプリケーションと言えそうですが、GPUを駆使して処理速度を向上させるというアプローチは、これまでありそうでなかった発想です。

Develope Toolsなどに付属しているCore Image Fun Houseを活用しているものと思われますが、それだけに動作は非常に軽快で、また、Mac OS Xとの親和性が図られた美しいインターフェースが秀逸。是非とも、早期に日本語版を期待したいソフトです。ピクセル処理の精度など性能面での完成度が気になるところですが、機能的には「Photoshop Elements」に充分匹敵しそうなので、1万円以下で購入できるというお買い得さから、上手く行けば「Photoshop Elements」のシェアを一気に喰うことも可能なのではないでしょうか。また、豊富な機能を有しながらも動作が緩慢で、洗練されているとは言い難かった「Gimp」は、Mac OS Xのテクノロジーをフル活用した「Pixelmator」を前に完全に死に体となりそうです。

例えば、Windows互換の豊富なファイルフォーマットをサポートする「GraphicConverter」の役割までをも置き換えるまでには行かないかもしれませんが、Adobeにプレッシャーを与えるという意味でも、非常に高価な「Photoshop」以外の選択肢が出来るというのは喜ばしいことです。大いなる可能性を感じさせるキラーアプリケーションの登場に、今後の動向が注目されます。

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