2007年06月10日 (日)

「仮面ライダー THE NEXT」発表

2005年に公開された「仮面ライダー THE FIRST」の続編となる「仮面ライダー THE NEXT」の今秋公開が発表されました。平成ライダーシリーズの劇場版とは別に製作される、オリジナル版を踏襲した本流映画の第2弾。「仮面ライダー THE NEXT」では、70年代の変身ヒーローブームを牽引し、歴代シリーズの中でも抜群の知名度を誇った仮面ライダーV3が満を持して登場します。

仮面ライダーV3 27年ぶり復活

73年2月から74年2月に掛けて全52話が放送された「仮面ライダーV3」テレビシリーズでは、秘密結社デストロンに命を狙われて重傷を負った風見志郎が、仮面ライダー1号と2号による改造手術を受けて仮面ライダーV3となり、デストロンに立ち向かうストーリーが展開されましたが、「仮面ライダー THE NEXT」では、風見志郎は秘密結社ショッカーの手によって改造手術を施され、ショッカーの忠実な兵士として登場するなど、大幅なアレンジが加えられています。

仮面ライダーV3には、「仮面ライダーカブト」で仮面ライダードレイクこと風間大介役を演じた加藤和樹(22)が抜擢。監督・田崎竜太、脚本・井上敏樹の布陣で再びタッグを組みます。PG12(12歳未満は保護者同伴)が予定されており、ホラー色が強く、大人も楽しめる作りとのこと。加藤和樹様に曰く「1号2号とどう絡んでいいかを考え抜いて挑んだ。アクションをぜひ見てほしい」とアピールしています。

Image:仮面ライダー THE NEXT

「いわゆる一つの、えーと、えーと、その……」
「祝砲?」
「そうそう、それそれ!」

風間大介様再臨奉る!とはいえ、昭和ライダーは「仮面ライダーBLACK」をギリギリ掠めたくらいの世代なので、「仮面ライダーV3」辺りの作品はからっきし存じ上げません。また、「仮面ライダー THE FIRST」もタイミングが掴めずに未見のままなので、このまま知ったかぶるのは一寸憚られます。

ただ、その「仮面ライダー THE FIRST」は、リファインされたライダースーツは大変に魅力的だったものの、如何せん内容については評判が芳しくなく、大半の酷評と一部の絶賛といった程度に賛否両論だった印象なので、地続きに考えると今回の「仮面ライダー THE NEXT」についてもあまり楽観的に構えることは出来ないでしょう。しかしながら、それでも風間大介様がV3を演じるという事件に興奮している私は、田崎監督との黄金コンビの復活に多少なりとも期待せずにはいられない訳です。

人気先行と言われた加藤和樹様も、実際のところはこれが華があり、何よりも自分というものの使い方を心得ているところがたまらなく素敵だったものだからして、「仮面ライダーカブト」当時の風間大介様は、それはもう天道総司様と並び立つほどに好き過ぎたカリスマです。それだけに、役者としての仕事をもっと観たいという欲求があったのですが、これを機に、いよいよ加藤和樹の時代が来るのではないか、という願望にも似た予感は現実感を伴いつつあります。しかし、まさかこういった形で加藤和樹様が特撮界に舞い戻って来るとは思いませんでしたが、キザというよりは“クールで華やかな美形”といったイメージのある風見志郎役に、風間大介の面影はハマっています。1号、2号、V3、3人揃った立ち姿も絵面としては非常に様になっており、現代版リメイクとしても程良いデラックス感があるのではないでしょうか。

ただし、前作同様、これが「仮面ライダーV3」そのものだと考えると、作品の性格上、オリジナルとは完全に別物だと解釈すべきなのでしょう。翻れば、それだけ宮内洋ではないV3というものの新鮮さを味わうべきところですが、そこは宮内洋氏も意地でも出演してやる旨、伝え聞いているので、オリジナルのファンもニヤリとほくそ笑むことが出来るに違いありません。この調子だと、リメイクシリーズはライダーOBのお祭り映画的な意味合いも帯びて来そうなので、その折、「仮面ライダーストロンガー」がリメイクされた暁には、是非とも城茂役はストロンゲスト・カブトこと水嶋ヒロ様でお願いしたいところ。

一方で、こちらも注目に値するのが田崎監督の手腕。田崎監督といえば、ドラマ部分にはちょっとしたクセがありつつも、クールな映像とケレン味溢れるアクション演出が売りの人物。田崎監督のホラーものというのも一寸想像が付きませんが、それだけビジュアル優先の作風になるのでしょうか。前作がラブストーリーだったらしい分、今回は徹底的に男の世界を描いて貰いたいものですが、私の見る目などは明らかにビジュアル先行型なので、例えば公式サイトの写真では、1号・2号のマスクが薄汚れているところなど、前作から凄惨な戦いを続けてきたという摩耗具合が実に格好良く視覚化されているので、これらがどのように活写されるのかが楽しみで仕方がありません。

それに伴って、明示的に良い兆候も見られます。コスチュームや変身シーンなど随所にリアリズムを標榜していることからも、「仮面ライダー THE FIRST」は、どちらかといえば大人向けの作品であると評されて来ました。その点で、「仮面ライダー THE NEXT」がPG12に指定されるというのは頷けます。前作のように、子供には難しい、子供向けでない、と見当違いな文句が出ることもないでしょうし、こういった方向性に特化してくのは作品の為にも良いことだと思います。後は、大人向けを狙う以上、後腐れなくどこまで思い切れるか、が勝負の別れ目になるでしょう。このスタッフで大人向けのヒーロー特撮がどのように仕上がるのか、興味深いところです。

リンク:
http://maskedridernext.jp/

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