2007年07月02日 (月)

MSN毎日インタラクティブ → MSN産経ニュース

マイクロソフトは産経新聞グループと提携し、共同ブランドのニュースサイト「MSN産経ニュース」を10月1日に開設すると発表しました。

「MSN毎日インタラクティブ」9月で終了、10月から「MSN産経ニュース」に

これに伴い、産経デジタルが運営する産経新聞サイト「Sankei Web」は、新たに開設される「MSN産経ニュース」に統合されます。「Sankei Web」以外に産経デジタルが運営している「iza」「SANSPO.COM」「ZAKZAK」などの各サイトについては、従来通り独立したサービスとして運営を続けるとしています。また、2004年4月からマイクロソフトと毎日新聞社が共同で運営してきた「MSN毎日インタラクティブ」は、提携解消に伴い9月30日をもって終了。毎日新聞社では、10月1日から新たな総合情報サイト「mainichi.jp」を開設することを発表しています。

「MSN毎日インタラクティブ」は決してユーザーフレンドリーなサイトではありませんでした。大量の写真付き記事は重宝しましたが、それも閲覧性はほとんど考慮されていなかったので、使い勝手は最悪だったと言えましょう。

その上で、「MSN毎日インタラクティブ」については、3年余の提携により互いの事業を発展させる目的が達成されたとしていますが、Web音痴の新聞社の中でも筆頭株とされる毎日新聞社にとって、世界最大手のソフトウェア会社と手を切ることが即ち何がしかのメリットになるとは思えないので、今回の提携解消は一寸奇妙にも映ります。「Xbox 360」を巡る飛ばし記事の掲載事件などもあったので、毎日新聞社がマイクロソフトに愛想を尽かされたとの見方もありますが、そもそも、そのマイクロソフトにしても新聞社とタッグを組んで一体何がしたいのか、その動機、或いは実績が見えないので、いずれにしても不可解な関係性ではありました。

一方で、「Sankei Web」はここ最近すっかり穏健化していた印象ですが、同時に大手新聞社の中では積極的なネット展開を見せていました。それらの蓄積が結果的にマイクロソフトとの業務提携への布石となったのでしょうか。ただ、MSN自体はさして斬新なサービスを提供してきた訳ではないので、マイクロソフトとの提携が「Sankei Web」改め「MSN産経ニュース」にどのような変化をもたらすのかは不透明です。

マイクロソフトの、毎日から産経へ、という身の振り方はあまり筋がいいとは思えませんが、ただ、毎日にとっても産経にとっても、今回の相互乗り換えは旧態依然としたニュースサイトを脱却する為のいい転機であり、好機でしょう。宅配部数が致命的に減少している新聞社にとって、Webで新たな収益モデルを確立しなければ先細りに窮する状況であることは自明ですから、より有用な情報メディアとしての転化と、Web 2.0時代に即したアグレッシブな施策を打ち出してくれることに期待したいです。

リンク:
産経新聞グループ、マイクロソフトと提携 MSNでニュースサービス
毎日新聞社:「mainichi.jp」10月オープン

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