2007年07月09日 (月)

iTunes “パーフェクト” イコライザ

自分用にメモ書き。

最近は音楽視聴環境がポータブルCDプレーヤーからiTunesへと本格的にシフトしつつあるので、音質を劇的に向上させるとの評判が久しい「Volume Logic」を導入しようと目論んだところ、iTunes 7対応の最新バージョンはMac OS X v10.3をサポートしないという衝撃の事実が判明。

http://www.volumelogic.com/

無念極まりなかったので、代用としてはやや矮小であるもの、イコライザ設定を見直し、一昔前に話題になった“Perfect”イコライザを試してみました。

A 'perfect' iTunes equalizer setting

“Perfect”イコライザは、海外のiTunesユーザーによって提唱された、文字通り完璧なイコライザで、音源を問わずに音質を向上させる汎用設定です。設定方法は、左から

+3 / +6 / +9 / +7 / +6 / +5 / +7 / +9 / +11 / +8

が指定されています。iTunesのイコライザでは、32 / 64 / 125が重低音部分、250 / 500 / 1Kがボーカル領域を含む中音部分、2K / 4K / 8K / 16Kが高音部分となっているので、“Perfect”イコライザは高音部分が強調されるいわゆる「ドンシャリ系」のようです。ただ、聞きかじった限りでは、「周波数分割された帯域毎の相対関係で音を操作する」のが正しいイコライザの使い方だとされているので、0dBが一つもないというバランス的にも難があるこの設定では、イコライザだけで絶対的な音量がアップしてしまいます。全体の移動量の合計が0になるように調節するのがベターであるという通説からも乖離しており、聴感上でもクリップが発生してしまう可能性がありそうです。

Image:iTunes “Perfect” イコライザ

視聴環境は、CDからリッピングした1411kbps / 44.100kHzのAIFF、及び、320kbps / 44.100kHzのAACに、オーディオヘッドホンMDR-CD2000の組み合わせ。ジャンルは、ポップス、ロック、テクノに偏向。実際に試してみると、これが低音強調的な迫力には欠けるものの、或いは、普段常用している“Acoustic”イコライザに比べてもメリハリが不足しがちな為、一寸物足りなくは感じられるものの、低音域から高音域まで、満遍なくサウンドのディテールが明瞭になる感覚で、音の変化をはっきりと感じ取ることが出来ます。良く言えば原音に忠実で癖のない、悪く言えば平板なチューニングが施されているiTunesの音質を素直に拡張した印象ですが、ただし、その分、長時間視聴していると疲れる音でもあります。比較的新しい音源であれば、無難にそつなく聴感の向上を実感することが出来ますが、楽曲によっては音割れするものやノイズが乗るものもあるので、先人のアドバイス通りプリアンプ設定を-6.0dB辺りにまで抑えた方が実用的でしょう。

ちなみに、最近ではCD購入までの繋ぎに動画共有サイトからPV音源を拝借することがあり、例えば、Stage6からダウンロードしたPVをQuickTime Proで編集し、音楽ファイルに書き出してiTunesで消費する、といった灰色エコシステムが定着して久しいのですが、しかし、“Perfect”イコライザの標準設定は、明らかに圧縮率の高い音源向きではありません。この手のソースに適用すると、それはまあ派手にクリッピングしてしまうので、このケースでもプリアンプ設定のコントロールは必須です。

とりあえず、個人的に“Perfect”イコライザは期待したほどの代物ではありませんでした。汎用設定であることのメリットは確かに感じられるものの、それ以上でも以下でもなく、パーフェクトの冠はあまりにも大袈裟です。やはり音質の向上については、正攻法である「Volume Logic」頼みということになるのでしょう。Leopardが登場する秋口までの辛抱かなぁ。

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