2007年08月23日 (木)

Canon「PowerShot G9」を発表

Photo:PowerShot G9

キヤノンは2007秋モデルのデジカメ新製品を発表しました。EOSシリーズ2機種、PowerShotシリーズ5機種、IXY DIGITALシリーズ2機種の、計9機種をラインナップしています。

怒濤の新製品ラッシュの中で、個人的に目を引くのはコンパクトデジカメの最上位機種となる「PowerShot G9」。キヤノンのマルチ機能型カメラともいえるPowerShotシリーズですが、グレードアップしたG9が加わることで充実の品揃えとなっています。

PowerShotシリーズのフラッグシップモデルである「PowerShot G9」は、2006年10月に発売された「PowerShot G7」の後継モデルで、豊富なマニュアル撮影機能を備えるのが特徴。外観デザインは「PowerShot G7」を踏襲していますが、ボディ全面にレザートーン塗装を施すなど、ハイエンドカメラらしい高級感を実現しています。スペックは、35ミリ判換算で35〜210mm相当、F2.8-4.8のレンズシフト式手ブレ補正機構を搭載した6倍ズームレンズに、撮像素子は高精細な1/1.7型有効1,210万画素CCDを採用。最大記録解像度は4,000×3,000ピクセルで、RAW記録にも対応しました。映像エンジンは「DIGIC III」を搭載し、ISO1600までの高感度撮影を可能とするほか、進化した顔認識機能や「顔セレクト」機能を備えるなど、AF機能を拡充しています。また、液晶モニタは視認性の高い23万画素3.0型「クリアライブ液晶II」を搭載しました。

EOSライクなマニュアル操作も好評を博しているキヤノンのコンパクトデジカメがアップグレード。ボディとレンズには大きな変更がないのでマイナーチェンジといった印象ですが、それにしては“G8”ナンバーがパスされた理由が見当たらず、リリース間隔についても「PowerShot G7」が発表されてから一年にも満たないというインターバルは早漏に過ぎます。それでも、順当なスペックアップに加えて、使い勝手も手堅く向上しており、「PowerShot G7」の基本性能が優秀過ぎたことを考えれば、基本的には良いカメラだと思います。Gシリーズは、その時々で常に完成されたモデルを発表していますが、もはやコンデジ系は機能も画素数も飽和しており、PowerShotの進化もここまで来ると、スペック的には不満の持ち様がありません。

それだけに惜しいのは、やはり広角に弱いこと。また、バリアングル液晶の復活を期待していた向きには、拍子抜けのモデルであることは否めないでしょう。RAW記録こそ出来ないものの、「PowerShot G9」と同等のレンズと撮像素子を備え、更に2.5型のバリアングル液晶を搭載している「PowerShot A650 IS」の方が、市場の反応は良さそうです。

とはいえ、この「PowerShot G9」はハイエンドコンパクトデジカメというジャンルでは最強の一角であるに違いなく、ライバル機が少ないクラスだけに、キヤノンの一人勝ちも難しくないモデルです。昔のカメラの良さが詰まった正統派のコンパクトデジカメとして、キヤノンの技術の粋が満載された最高性能を持つ高品質カメラとして、「PowerShot G9」はあまりにも魅力的です。

リンク:
キヤノン、RAW記録に対応した多機能コンパクト「PowerShot G9」
1210万画素、3インチ液晶の新生“G”——「PowerShot G9」
進化した新Gシリーズ2代目——キヤノン「PowerShot G9」 (1/5)

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