2007年09月09日 (日)

iPodファミリー2007秋モデル発表

Appleは現地時間5日、サンフランシスコのモスコーンセンターウェストでスペシャルイベントを開催し、「iPod」の新ラインナップを発表しました。

最上位モデルは、革新的なマルチタッチインターフェイスを搭載した新機種「iPod touch」。「iPhone」を踏襲したデザインが特徴的な「iPod touch」は、3.5インチのワイドスクリーン・タッチパネルディスプレイにHomeボタンのみを備えた全面液晶モデルで、厚さ僅か8mmのコンパクトボディに、8GB / 16GBのフラッシュメモリを内蔵しています。

また、iPodシリーズ初となるWi-Fiワイヤレスネットワーク機能を装備しており、Wi-Fiを利用するアプリケーションとして、モバイルデバイス用ブラウザ「Safari」、YouTubeの映像を快適に閲覧できる専用プレイヤー「YouTube」、更に、デバイスから直接音楽を購入し、ダウンロードすることが可能となる「iTunes Wi-Fi Music Store」など、3つのソフトが標準搭載されています。

バッテリー駆動時間は、動画再生時で最長5時間、音楽再生時で最長22時間。価格は8GBモデルが税込36,800円、16GBモデルが税込48,800円で、出荷開始予定は9月末となっています。

また、第6世代に当たる従来型のiPodは「iPod classic」としてリファインされ、Cover Flowを実装し、アルミニウムによるオールメタルボディとHDDの大容量化を実現。第3世代の「iPod nano」は、液晶ディスプレイを320×240ピクセル / 2インチまで大型化し、Cover Flowと動画再生に対応、縦に潰れた正方形に近いデザインに変更されました。

Image:iPodファミリー2007秋モデル

予想通りの堅実なアップデートとなりましたが、売れ筋の「iPod nano」をも大胆にモデルチェンジしてしまう決断力には脱帽させられます。ユーザーが欲しがっているものを素直に提供出来るだけでも大したものですが、そこに期待以上の付加価値をつけてしまうAppleにはもう何も言うことはありません。iPodファミリーを見ていると、日本企業のお家芸と謳われた小型薄型化技術も、もはや過去のものに感じられてしまいます。単純な軽薄短小なもの作りだけなら日本企業も負けてはいませんが、その先にある付加価値を追求する力、製品独自の魅力や求心力、アイデンティティを吹き込む力が、最近では滅法弱くなってしまっている印象です。

とまれ、今回のiPodファミリーへのテコ入れはドラスティックでこそあれ、指向性はハッキリとしており、これまで以上に強固な製品マトリクスが構築されています。先進のマルチタッチインターフェイスを搭載する新しもの好き&ガジェット好き向けの「iPod touch」、スタンダードなスタイルを踏襲した音楽ジャンキー向けの「iPod classic」、シンプルにスマートに音楽を持ち運べる汎用型の「iPod nano」に、意識せずに音楽を身に付けていたいフリースタイラー向けの「iPod shuffle」と、製品毎の差別化は明確に図られており、死角がありません。敢えて粗を探すとすれば、容量とバランスに於いて最強を誇る「iPod classic」と、手軽さに於いて最強を誇る「iPod shuffle」の間に挟まれて、「iPod nano」の立場が微妙になってしまったこと。classicの名が冠された「iPod classic」は、「iPod touch」の大容量化に伴っていずれ廃止されるはずなので、今回は一本化が間に合わなかったと見るのが正しいのかもしれませんが、それだけに、5th規格が残ってしまったこと、結果的に品種が増えてしまったことは勿体無かったと言えるかもしれません。

個別に見ていくと、従来のベーシックモデル「iPod classic」はG5の正常進化。筐体がアルミニウムになったこと以外、ルックス的には大きな変更点がないので、驚異の160GBが一際目を引きますが、Cover Flowが搭載され、再生時間が延長されるなど、確実に性能をアップさせています。また、一新されたデザインが賛否両論を巻き起こしている「iPod nano」は、流石に旧モデルが持っていたクールさは失われているものの、「iPod classic」をギュッと凝縮したデザインには、まるで洋菓子を見る様な可愛らしさがあります。そのキュートな佇まいに何とも言えない愛嬌があって、初代iPodを彷彿とさせる色気を感じますが、実物は想像以上にコンパクトなので、上質なカラーリングと相俟って、女性受けが良さそうです。「iPod classic」「iPod nano」共に、Cover Flowを実装したことでUIが進化し、より完成度の高いモデルに仕上がりました。

しかし、今回の目玉はやはり「iPod touch」。「iPhone」から電話機能その他を省いたデジタルガジェットといった趣きの「iPod touch」ですが、これがポータブルオーディオ史上に残るマイルストーンとなることは間違いないでしょう。「iPhone」でも採用されているマルチタッチインターフェイスによって、従来の音楽プレイヤーにはない革新的な操作性と、アプリケーション毎の最適なUIを実現する「iPod touch」。「iPhone」圏外の日本で、最先端のAppleテクノロジーを体感する為には、これを選択する以外に道はありません。

確かに、容量があまりにも少な過ぎる点は考慮しなければならず、せめて倍のメモリがあれば音楽プレーヤーとしてもある程度酷使することが出来たでしょうし、搭載されているアプリケーション数が少ないのも、デバイスのポテンシャルを鑑みればこそ惜しい気はします。それでも、「iPhone」によってもたらされた「次世代」の片鱗を誰もが体験出来ること、OS Xによる先進的なテクノロジーを数多くの人間が体感出来ることには代え難いものがあり、言ってしまえば「iPod touch」の役割とは、「iPhone」上陸までの心の隙間を埋めることにあります。尤も、Bluetoothこそ備わっていないとはいえ、現状でも、Webメール+Webアプリの活用によって、充分に「iPhone」の代わりをさせられるのではないでしょうか。

ある意味、満を持して登場する「iPod touch」に、「iPhone」を待ちきれない国のガジェットマスターがこぞって飛びつくのは目に見えていますが、だからといって、いずれリリースされる「iPhone」の売れ行きへの影響を心配するのは野暮というもの。「iPhone」と「iPod touch」の市場が近過ぎることも、Appleはまるで意に介していない様に感じられます。いずれにしても、「iPod touch」はもう“iPod”ではなくなってしまいましたね。

リンク:
http://www.apple.com/jp/ipod/whichipod/

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