2007年10月11日 (木)

カプコン、Wii専用「モンスターハンター3」を発表

カプコンは、モンスターハンターシリーズ最新作となるWii専用ソフト「モンスターハンター3(トライ)」の発売を発表しました。

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MOの流れを汲むモンスターハンターは、これまでに全世界で450万本以上を出荷したとされるハンティングアクション。Wii「モンスターハンター3」は、PS2「モンスターハンター2(ドス)」の正式な続編に当たるナンバリングタイトルで、任天堂のプラットフォームでモンスターハンターシリーズが発売されるのは初めて。同社では、

Wiiの特性を活かし、これまでにない次世代のモンスターハンターを創造するべく、鋭意開発を進めております。Wiiにおいて新しい魅力を付加することで、シリーズのファンのみならず、幅広いユーザー層に訴求してまいります。

と語っています。

Logo:Monster Hunter 3 tri

「任天堂カンファレンス 2007 秋」にて、ファン待望の「モンスターハンター3」がWii専用ソフトとして発表されるという衝撃の展開。2006年5月にPS3での開発がアナウンスされていた「モンスターハンター3」ですが、開発プラットフォームの変更に伴って、PS3での同タイトルの発売は事実上中止となりました。

独占供給の確約をあっさりと覆すカプコンのオオカミ商法ぶりは健在。彼らの裏切りの歴史を振り返れば、古くはPS「バイオハザード」のSS版発売から始まって、DC「バイオハザード コードベロニカ」のPS2版発売、「バイオハザード」シリーズのGC独占宣言の撤回、Only for PS3を謳った「バイオハザード5」「デビルメイクライ4」のマルチプラットフォーム化など、かいつまんだだけでも枚挙にいとまがない。それでも、今日ほど彼らに呆れた日はありません。

本来であれば、企業活動の沽券にも関わってくるであろう消費者からの信頼も、彼らはまるで意に介していない様子で、カプコンはビジネスのつもりでも、その時々の市場動向によって一貫性のない一挙一動に振り回されるユーザーはたまったものではありません。最初からマルチプラットフォームと発表しておけば、批判と嘲笑の的にされることもなかったでしょうが、しかし、彼らは幾度となく同じ過ちを繰り返しながらも学習することがなく、それがより一層の不信感の増幅に拍車をかけています。企業として打ち出した公約=全うすべき責任を果たせないのであれば、仕様を固める前に軽々しく開発を発表すべきではない、つまり実現出来ないのであれば最初からそういうことを言うな、というのはごく自然な消費者感情だと思います。カプコンは、一体何度自社のブランドを殺せば目が覚めるのでしょうか。

勿論、私も当然の様に「モンスターハンター3」はPS3、悪くてもXbox 360とのマルチプラットフォームでリリースされるものだとばかり思っていたので、今回の発表にはショックを隠せません。モンハンは必ずしもインプレッシブな体験である必要はなく、ある意味では凡庸ですらあっていい、そんな正統進化系のMOアクションを楽しみにしていましたから、ゲームの素性を考えればこそ、これはもう迷走というレベルを凌駕しています。これまでPS3のつもりでどれだけぬか喜びをさせられて来たか、次世代機の圧倒的なパワーで進化した、しかし一方では保守本流であるべき「モンスターハンター3」に心底期待していたので、Wii専用ソフトではまるで買う気が起こりません。仮に、PS3市場の立ち上げの遅れがプラットフォーム変更の要因であるならば、頃合いを見計らって、PS3にも「モンスターハンター3G」などの何かしらの手当があると信じたいところですが、素材の使い回しを常とするモンハンなので、いずれにしても「PS3への最適化」という意味でのクオリティには期待できないでしょう。今回の一件で、ゲーム業界というのは信用の無い業界であるということが改めてよく分かりました。

それにしても、モンハン電撃移籍によって、PS神話の崩壊は確かな実感となりました。この手のソフトは、まさにPS3やXbox 360が盤石とするタイトルで、ましてやモンハンは、昨今のPS市場で気を吐く希望の光。PS3向けに新作を開発しているサードパーティの心境や如何ばかりか、それは例えば先頃のDS「ドラゴンクエスト9」の発表よりも余程衝撃的な事件です。いずれにしても、FF、MGS、MHという3枚看板の内の一つが消えてしまったPS3陣営は大きな痛手を被りそうです。

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