2008年02月13日 (水)

「獣拳戦隊ゲキレンジャー」最終回

「仮面ライダー電王」に続き「獣拳戦隊ゲキレンジャー」も無事に最終回を迎えました。前評判を覆し、期待以上の成果を上げた「仮面ライダー電王」の存在感が大きかっただけに、一見して地味な「獣拳戦隊ゲキレンジャー」はその影に隠れがちでしたが、終わってみればこちらも決して悪い作品ではなかったと思います。

修行その49「ズンズン!獣拳は、ずっと…」

獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、獣拳。
獣拳には、相対する二つの流派があった。
一つ、正義の獣拳、激獣拳ビーストアーツ。
一つ、邪悪な獣拳、臨獣拳アクガタ。
二つの流派は一つに還り、最後の戦いが、今、始まる!

ドラマ的なクライマックスは理央&メレが命を落とした修行その48「サバサバ!いざ拳断」に絞られていたので、最終回はアクションとエピローグに集中した作りとなっていました。そのお陰で、ゲキレンジャーvsロンの殺陣は、通年の集大成に相応しい華麗さ。巧みなワイヤーアクションを駆使しつつも、CGはあくまでも決め所だけに止め、鍛え抜かれた肉体が織り成す流麗な美技、淀みのない組み手のみを演出して見せる。血湧き肉踊る、これぞカンフーアクションのカタルシス。入魂の武侠スタントにゲキレンチーム最後の良心を感じました。

OPナレーションの見事に高揚感を煽る演出と、てんこ盛りアクション、そしてしっかりとしたラスボス打倒シークエンス、最近の戦隊ものにしては珍しく文句のない最終回です。しかしながら、この一年で彼らが“カンフー戦隊”として在るべき独自のコンセプトを全うしたとは言い難いでしょう。ゲキレンジャーが最後に証明した事実が、先人に曰く「この一年間頑張ってきた激獣拳よりも、一瞬で学び取った臨獣拳の方が使える」であった様に、ゲキレンジャーは最後まで臨獣殿を超える“強さ”を提示することが出来ませんでした。不明瞭な行動理念でその場しのぎの“日々是精進”を繰り返すゲキレンジャーと、未熟者である彼らを導くべきはずの七拳聖の奇天烈さに対して、物語の開始当初から確固たる行動理念を確立し、“強さを求める者”としての理央を中心とした役割分担が明確だった臨獣殿では、構図的に臨獣殿の方が主役格に見えてしまうのも道理です。

「悪を魅力的に描き過ぎるとこうなる」という意味では、敵味方を二元論で隔てることなく描くこと、いわば善悪の相対化の困難さを露呈した作品でもあったと思います。作品の面白さとは別にして、単純な強さでも、設定的、背景的な魅力でも、ヒーロー側よりライバル側の方が圧倒的に格上、という現状はやはりバランスに欠けていました。最終的に激獣拳 / 臨獣拳の融和を描くにしても、ひたすらに修羅の強さを求める臨獣拳に対して「それだけではない“強さ”や“正義”を模索する激獣拳」程度のアピールはあって然るべきだったはず。近作では、敵側が主役側を食った一例として記憶に残りそうです。

しかし、思い返してみれば、この一年で最も印象が変わったのは何と言ってもゲキブルー。丁度、前作でいうボウケンブラックのポジションで、番組開始当初は、ルックスも並、演技も特別達者ではないし、かといって存在感が飛び抜けているという訳でもない……ということで、ゲキブルーのキャスティングには納得が行かないと独り嘯いていたものでした。あまつさえ、そこまで人材が枯渇しているのかと窮状を憂慮してみたり、将又、コネか或いは事務所の押し売りかなどと俗っぽいことを心の中で煽り立ててみたり。それが結果的には、あれだけ冴えなかったゲキブルーが、回を追う毎に凛々しく男前になっていく様は楽しくもあり頼もしくもあり、実に小気味良い快感がありました。逆に、損な役回りが祟って最も株を落としてしまったのはゲキイエローでしょう。ぎこちない演技の中にも、時折チャーミングな表情を覗かせるのがゲキイエローの魅力でしたが、それもメレの露出増大と共に霞んでしまい、存在感がナリを潜めて久しい終盤では、すっかりメインヒロインの座を奪われてしまった格好です。

ということで、基本的には、設定には惹かれたものの序盤の展開が微妙で、スーパーゲキレンジャー登場以降はCG偏重故に粗も多く見られた「獣拳戦隊ゲキレンジャー」。それでも、中盤から盛り返し、終盤、ジャンの出生やロンの暗躍といったシリアス要素が前面に出て来てからの展開には熱いものがありました。敵キャラ立ちまくりという意味では、従来作品と比較しても若干毛色が異なりましたが、最終話間近は特に渋くドラマチックで、理央とメレが主人公を演じてみせたラスト数話によって作品全体の印象が良くなっています。総じて、期待以上の満足度を得ることは出来ませんでしたが、まとまりの良さもあって、後味は悪くありません。

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