2008年02月15日 (金)

エルゴソフトがパッケージソフト事業を終了

Macにおける日本語ワープロ及び日本語インプットメソッドの老舗エルゴソフトが、販売事業終了に。

エルゴソフト、パッケージソフト事業を終了

エルゴソフトは、2008年1月28日をもって、同社の日本語ワープロソフト「egword Universal 2」「egword Universal 2 solo」、及び日本語入力システム「egbridge Universal 2」の販売を終了し、パッケージソフト事業を終了することを発表しました。Mac OS Xにおける日本語環境の成熟などから、パッケージソフト事業の終了を決定したとしていますが、親会社コーエーのリリースによれば、

創業以来Macintosh における日本語環境の向上に努めて参りましたが、Mac OS X における日本語環境の成熟や日本国内でのMacintosh 市場の低迷などから、事業の継続が困難と判断したものであります。

http://www.koei.co.jp/html/press/pdfs/20080128.pdf

とのことで、Appleが自らアプリケーションを開発してしまうことも多いMac市場の性格上、特に日本においては数少ないサードパーティの厳しい実情が伺えるニュースとなりました。

創業以来一貫してMacにおける日本語環境の向上に務めて来たエルゴソフト。日本語ワープロ「egword」、並びに日本語入力システム「egbridge」シリーズについては、Macintoshが登場した1984年から実に24年もの長きに渡って、ユーザーを支え続けて来ました。特に、昔からMacを使っている人ほどエルゴソフトは重要なメーカーで、日本語環境もままならなかった当時から現在まで、Appleが苦しかった時期をも乗り越えて来た同社の功績というのは非常に大きなものがあったと思います。

なにぶん使用経験がない為、個人的に直接の思い入れはありませんでしたが、Macを使っていれば誰しもが一度や二度は評判を聞き及ぶほど、MacのワープロといえばEGW、MacのIMといえばEGBでしたから、販売事業の終了はファンならずとも寂しいものがあります。縁の下の力持ちという表現がピッタリな同社のソフトウェアはとにかく洗練されていて、技術力が高かったという印象が大きく、一目置いていた存在だっただけに、こういう開発力のある会社こそAppleが何とかして欲しかったと思わずにはいられません。

最終的に事業の継続が困難だったとしても、オープンソース化するなどして貴重なソフトウェア資産を生かして欲しいところでしたが、権利やコストの問題などでメーカー的には難しかったのでしょう。良いものが売れる訳ではない、良いものが生き残る訳ではない、というのはMacユーザーだからこそ身に染みて分かっていても、完全に火が消えてしまうのは残念です。ことIMに目をやると、競合のATOKも未だにWindows臭いというイメージが付いて回るほど癖があるので、EGB愛用者は後継ソフト探しに難儀するのではないでしょうか。

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