2008年02月19日 (火)

東芝がHD DVD撤退へ、の報道

16日のNHKニュースでも報道されたことで、東芝のHD DVD撤退の一報が各紙を賑わせた週末。

東芝:HD撤退へ ブルーレイ支持広がり、継続困難に

次世代DVD対応機の規格争いで、東芝が16日、HD DVDから撤退する方向で最終調整に入ったと報じられました。次世代DVD規格を巡っては、これまでにソニーやパナソニックらが主導するBlu-ray Disc方式と、東芝が主導するHD DVD方式が激しい覇権争いを繰り広げていましたが、HD DVDはライバルのBlu-ray Discに販売シェアで大きく引き離され、ソフトを供給する米映画会社も相次いでBlu-ray Discの支持を表明するなど、厳しい立場に追い込まれていました。日本国内ではBlu-ray Discが実に90%以上のシェアを占めていること、また、ワーナー・ブラザーズのBlu-ray Discへの一本化を決定打として、米小売大手ウォルマートのBlu-ray Disc支持などが立て続いたことで、HD DVDの劣勢が鮮明となり、事業継続が困難と判断したとしています。東芝はHD DVD事業撤退の最終調整に入っており、店頭販売は当面継続するものの、生産は停止する方針で、損失は数百億円になるとのこと。

東芝、HD DVD撤退報道について声明

一先ず、東芝は公式コメントで報道の内容を否定していますが、マスコミ側としては東芝の関係者からそれなりの裏付けは取れているものと思われます。東芝本社からの意図的な情報リークという見方も専らであり、市場の流れを見てもBDが圧倒的に有利なのは間違いないので、HD DVDはこのまま衰退して行くでしょう。次世代DVDについては、かつて統一規格交渉が決裂した経緯もあり、消費者不在の主導権争いが続いていましたが、幸いにも早期決着で事態の終結を見そうです。フォーマット戦争など、長引くことで得をする人間など誰もいないので、東芝の早急な対応が期待されます。

これまで、次世代DVD関連の報道についてはリーク先行が多く、キナ臭い印象もありましたが、とりあえずは、ディスクメディアとしての性能を見ても、また、PS3贔屓の目で見ても、BDが勝利を収めてくれて一安心というのが本音。HD DVD陣営にとっては、短期決戦に持ち込めなかった時点で政治力勝負になるのが見えていたのか、終盤はあまり頑張っている印象がなくアピールを感じませんでしたが、何にせよ、今後はパッケージメディア vs ネット配信といった構図をも見据えなければならないことを考えれば、買い控えていた、或いは様子を見ていた消費者も安心してDVDからBDに移行出来るという点では、商売が格段にやり易くなるのは間違いないでしょう。

ということで、向こう数週間は東芝の動向が気になるところですが、DVD録画再生機としては東芝機の評判は抜群に良いので、その向きにはBDを搭載したRDシリーズの投入も待ち遠しいところだと思います。しかし、当面は、今回負け規格を購入してしまったユーザーへのアフターフォローが重要になるでしょう。東芝としては、公式に行うべきHD DVDの敗北宣言とは別に、規格を立ち上げたメーカーの責任として自社規格の後始末を着けなければならず、具体的には、BD + HD DVDのデュアル再生機の発売と、向こう数十年のサポート継続が望まれます。ビデオテープと違い、BDとHD DVDでは物理的なディスクサイズが同じなので、再生互換性の確保は比較的容易だと言われており、となれば後は東芝の心意気一つといったところ。

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