2008年02月27日 (水)

DivXの動画共有サイト「Stage6」が閉鎖へ

米DivXは、動画共有サイト「Stage6」を2月28日をもって閉鎖することを発表しました。動画のアップロード機能は既に終了していますが、視聴やダウンロードについても同日付けで打ち切られることになります。

DivXの動画共有サイト「Stage6」が2月28日で閉鎖

「Stage6」は2006年8月、高画質動画を共有するための実験サイトとしてオープンし、急速に人気を集めましたが、予想を超える成功を収めたことで、結果的に運営に掛かるコストやリソースが事業を継続できないほど莫大になってしまい、DivX本来の企業戦略を圧迫していました。この為、DivXでは2007年7月から「Stage6」が取り得る戦略について、スピンアウトや売却、閉鎖などを踏まえた上で事業存続を検討してきましたが、最終的にスピンアウトや売却は不可能だと判断し、閉鎖を決断したとしています。

広告収入を当てにしたビジネスモデルは体力勝負。動画共有サイト自体の収入源が確立されていない現状では、DivX程度の規模の会社では事業継続は困難を極めるのでしょう。そういった意味では、商売を度外視せざるを得ない立場にあった「Stage6」の未来は不透明で、サイトの閉鎖でさえも予測の範疇にあったというのが実際のところ。しかし、いざ大手が潰れるとなるとインパクトは相当なもので、個人的にもショックを隠せません。

平均して重いサイト、使いものにならない検索機能など、サービスとしては欠点もありましたが、高画質・高音質という部分では他の追随を許さず、何よりもその技術に価値がありました。圧倒的な画質は感動的ですらあり、そのダウンロードスピードは衝撃的ですらあり、「Stage6」が“手軽に使える高画質動画アップロードサイト”としてインターネットの未来を垣間見せてくれたのは間違いありません。YouTubeなどから閉め出された違法ビデオがライブラリを構築する“隠れ家”的な側面があったのも事実ですが、肝心な時に頼りになるサイトとして、特に音源を二次利用出来る音楽PVの視聴には重宝していたので、需要に対応し切れなかったことを理由に終焉を迎えてしまうことは残念でなりません。H.264を用いた後発サイトと比べても、まだまだ「Stage6」にはアドバンテージがありましたから、有料会員制を敷くなり、積極的な広告を打つなりして、少しでも収益を上げる方向性を模索して欲しかったものです。

数ある動画サイトの中でも、強烈な画質で綺羅星の如く輝いていた“ステ6”。王者陥落が与える影響は予想以上に大きいもので、動画制作者の素材収集場所としても機能していた“ステ6”が消滅することで、思わぬところでニコニコ動画などにも問題が波及しています。一方では、海賊版置き場としての問題にも直面するなど、悪貨が良貨を駆逐せんとする状況下で解決しなければならない課題も多かった“ステ6”ですが、いずれにしても、動画配信技術はあるがビジネスモデルとインフラが追い付かない、人気はあっても収益が確保出来ない動画共有サイトの難しさを露呈したモデルケースとして、インターネットの礎となってしまったDivX。彼らの失敗を踏まえて、その内に誰かが似たようなことを始めてくれるだろうという希望的観測も見られますが、実際問題として、もうこんなに自由で汎用性の高い高画質な動画サイトは現れないだろうなぁ、という感慨が頻り。

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