2008年03月18日 (火)

痴漢でっち上げ事件、被害者が語る

痴漢被害をでっち上げられ、大阪府警に誤認逮捕された会社員の男性が、その心境を語っています。

「男性なら誰でも起こり得ること。周囲の信頼がなかったら心が折れていたかもしれない」「何を言っても信じてもらえなかった。警察は最初にもっと言い分を聞いてほしかった」

「何を言っても…」 痴漢でっち上げ被害者心境語る

との言葉が印象的です。

今回の一件は、大阪府警、容疑者双方に問題がある事件だと思いますが、こういった小悪党に付け入る隙を与えた警察の体質は追求されて然るべきでしょう。誰もが思い至る様な安易な手法に見事に騙された警察の無能と捜査手順の不備は、このご時世にあって小市民の不安を助長します。痴漢案件では、容疑者は常に悪魔の証明を求められることになるので、社会的、精神的な負担の大きさから、冤罪に打ち勝つのが困難である状況は想像に難くありません。そういった意味でも、痴漢の濡れ衣は実に恐ろしい事故。「自分たちも騙された」で済むのであれば警察など要りません。取り調べの可視化など、捜査手法の改善が必要であるのと同時に、制度化によるバックアップも不可欠なのではないでしょうか。

一方、狂言で痴漢犯罪をでっち上げれば、まず確実に成功することが証明されてしまったのが今回の事件。弱者の立場を悪事に利用するという点においては、“保護されるべき属性”を蓑にした悪意ある攻撃は構造的にも成功し易いので、今後、同様の事件が増加する可能性もあるのではないでしょうか。むしろ、表沙汰になった事件が氷山の一角だとすれば、普段、通勤通学に電車などを利用している男性諸子は、よもや洒落にならない事態に直面していると言えるでしょう。しかも、これによって実際に痴漢の被害に遭った女性にも猜疑の眼差しが向けられ兼ねないこと、更には実際に痴漢を働いた男性側にも逃げの口実を与えてしまうという点では、社会的な悪循環をももたらし兼ねません。

この手の問題は対策を考えれば考えるほど絶望的に苛まれますが、双方により良い落とし所としては、やはり男性専用車両の導入が妥当ではなかろうかと思います。警察だけでなく、鉄道会社にも、可及的に速やかな対応を望みたいところです。

リンク:
痴漢でっち上げ「信じてもらえず、不安と悔しさ」
【衝撃事件の核心】ブログで「憂国」気取る痴漢でっち上げ大学生

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