2008年07月04日 (金)

アニメ「xxxHOLiC◆継」視聴完了

この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ───

普通の人間には見えない“アヤカシ”が見えてしまう主人公・四月一日と、どんな願いでも叶えるという不思議な“ミセ”の女主人・侑子。願いの対価として侑子の元でアルバイトさせられることになった四月一日と、彼に関わる人々との摩訶不思議なストーリーを紡いだ「xxxHOLiC」も待望の二期が終了。

「xxxHOLiC」の見所は、ギャグテイストを織り交ぜながら描いた四月一日の日常と、侑子の“ミセ”を訪れる客の物語。酒好きでグルメな侑子と、炊事洗濯が得意で体温の高いツッコミが持ち味の四月一日、二人を中心に繰り広げられる騒々しい日常は、クールな天然キャラの百目鬼と、四月一日が想いを寄せるひまわりが絡みながら、時にコミカルに時にシリアスに展開して行きます。一方、侑子の“ミセ”を訪れる客は、それぞれに悩みや思想を抱えており、ミステリアスでホラーテイストに溢れる表現を通じて、人間の心理や内面が細やかに描写されて行きます。また、作品中に登場する様々な“アヤカシ”は、人間とは異なる視点で世の中を見つめており、格言めいた言い回しにも多用される彼らの行動をもって、考えさせられる場面が多いのも特徴です。

第二期は、キャラクターが増えた割にはあっという間に終わってしまった印象で、1クールでは物足りなさが残るのが実際のところ。しかし、ほぼ一話完結だった前期とは異なり今期のエピソードには繋がりがあったので、物語がある一点に向かって収束して行く過程を存分に楽しむことが出来ました。特に大きなストーリーはなかったものの、最終的にひまわりちゃんの真実が明らかとなったことで、区切りとしては非常にスッキリとした完結を迎えており、それ故に満足度は高く、個人的には「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」と並ぶ今期ナンバーワンの作品でした。

第十三話「報恩 オカエシ」

夕飯のメニューを考えながら下校中の四月一日は漂う匂いに誘われた先で、
風呂敷包み提げた仔狐の手が出ているのを見つけた。
以前に会ったおでん屋の仔狐だった。
夢カイからもらった風船をあげたお礼に、おでんを作ってくれたのだと言う。
美味しくおでんを食べた翌日、四月一日と侑子は家電量販店に冷蔵庫を買いに行くのだが…。

http://www.tbs.co.jp/holic/

物語の実質的な最終回は第十二話「真実 ホントウ」で迎えているということで、第十三話「報恩 オカエシ」はゲストキャラが総出演してのお祭り騒ぎ。外伝の位置付けながら最新の時系列を陣取り、サブタイトルが示す通りのサービス回となりました。

電器屋で雷獣と遭遇〜狐のおでん屋でワイワイおでん三昧する番外編は、第二期に登場した四月一日に友好的な“アヤカシ”が大集合。四月一日にデレまくる狐の子供、四月一日にデレまくる座敷童、四月一日にデレて去っていく雷獣と、一見ただのドタバタ劇に見えて、実は四月一日の人徳や感情が彼らを引き寄せていることが分かります。「みんな大好き四月一日」という構図が示していたものは、結局、この作品の中心にあるのは人も“アヤカシ”も惹き付ける四月一日の魅力に他ならないという本質で、改めて最終話らしいまとめとなっていました。ラストエピソードとしてはこれ以上無い大団円で、シリアスで締めた後に、のんびりと和める後日談というのは心地良いものです。特に今期は全編通してシリアスな要素が強かったので、最後にこうしてコメディ色の強いエピソードを持って来てくれたのは嬉しい配慮でした。

他者を思いやることと、自分の感情に正直であること。相手のことをまず考えるという性格そのままに、他者との関わり合いの中から自分の行動の意味を知る四月一日。この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ───全てが必然ならば、全てのことに意味はある、それ故に、意味を知った時点で後戻りは出来ない、だから何を選択するのか。因果律をもって四月一日の人柄の良さの意味を論じて、彼の心の成長を描いたのが第二期の基軸であったと言えるでしょう。

その白眉となったのが第十二話「真実 ホントウ」で、我が身を省みない献身的な行動は偽善であると断じられてしまった女郎蜘蛛のエピソードから直帰的に繋がる伏線として、それまで傍観者に近かった第一期のポジションを一掃するが如く、非常に印象深い内容となっていました。ひまわりちゃんの独白シーンが見物だった本編最終回は、百目鬼とひまわりちゃんが四月一日のことを大切に思っていて、四月一日も二人のことを大切に思っていて……そんな絆が見えてくる名エピソードでしたが、ひまわりちゃんの秘密とそれに対する四月一日の行動、即ち、あくまでも優しくひまわりちゃんの存在を受け入れる四月一日によって、傷と救いを三人が共有して行くというマトリクスは、翻って四月一日の魅力そのものであり、であるからこそ、四月一日の優しさと人柄、そして彼ら三人の幸福感と美しさも際立つのだと思います。

総じて、第一期程のバラエティの豊かさはなかったものの、今時のアニメとして充実していた作画を始め、高水準で安定した演出とメインキャストの演技のお陰で、原作付きのアニメとしてはお手本と言える完成度だった「xxxHOLiC◆継」。作品の雰囲気上、誰かを徹底的に叩きのめすということがないので、安心して視聴することが出来た上、短いシリーズながらもスタッフの原作に対する愛情が快く、麻雀回に見られた様なアレンジも巧みでした。散りばめた伏線やドラマを収束させながら、あくまでもラストは爽やかに終わらせるという一本筋の通った構成・脚本の辣腕ぶりも評価出来るのではないでしょうか。

まあ、CLAMPものに大どんでん返しは付き物なので、これがもしひまわりちゃんが悪意の塊だったとしたら、四月一日が報われない……などと心配していましたが、そうはならなくて良かったというのが正直なところ。それに、最終回後にEDテーマのSEAMOを聴くと感動も一入で、あれは四月一日からひまわりちゃんへのラブソングだったのだと思うと、それまでの居心地の悪さも微笑ましく感じられます。

ただ、続編でありオムニバスでもあり、更に続編も期待できる作品ですが、残念ながら原作のストックがないらしいので、TVアニメの第三期としての映像化は難しいかもしれません。

オリジナルストーリー:
http://d.hatena.ne.jp/laplacers/20080627

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