2008年10月19日 (日)

NHK BS2「チャットモンチー LIVE in 武道館」編

NHK BS2にて「チャットモンチー LIVE in 武道館」がOAされました。

徳島で結成されたスリーピース・ロックバンド、チャットモンチー。2006年のメジャーデビューから女性ロックバンドとしては史上最短となる2年4ヶ月で到達した日本武道館2DAYS。11月5日のDVD発売に先駆けて、今回の放送では、初の武道館ワンマンライブ「チャットモンチーのすごい2日間 in 日本武道館」から2日目の模様をインタビューなどを交えてザックリと紹介しました。

NHK BS2では、国内外を問わず様々なミュージシャンのライブ映像を頻繁に放送していますが、散漫な生活を送っているとリアルタイムで視聴する機会にはなかなか恵まれないもので、今年に入ってからOAをチェック出来たのは「徳永英明 1000th ライブ」と「チャットモンチー LIVE in 武道館」のみ。艶のある暮らしに“NO MUSIC, NO LIFE.”は欠かせませんが、文字通り、音楽のない日常には活気がありません。

Photo:チャットモンチー LIVE in 武道館

単発のシングルではピンと来なかったチャットモンチーですが、ライブ映像を観てみて思ったのは演奏が上手いということ。カメラワークが良かったので、ギターを手繰る指の動きなども追えましたが、スリーピースでもここまでの音を出せるということに、正直、圧倒されてしまいました。サポートバンドを従えず、「私たち、全部自分たちで音出して演奏しています」という姿勢にも好感を覚えますが、それは即ち、自信に裏打ちされた実力があるということ。ガールズバンドの中では抜群の演奏力を誇るのではないでしょうか。

改めて音楽に耳を傾けてみると、ルックス先行型のファッション・バンドだと思われがちなチャットモンチーもポテンシャルは想像以上で、それも現在のJ-POPシーンではあまり見られないタイプの独自の音楽センスを持ったバンドであることが分かります。骨太なロックサウンドも、飾り気がないながらも表情豊かな演奏スタイルも好みでしたが、特にボーカルの橋本絵莉子など、その華奢な体のどこにそんなパワーがあるのかというくらい、とにかく、音楽への情熱や気迫がひしひしと伝わって来て、観る者聴く者の心をグッと掴んで離さない、そんな魅力に溢れていました。楽曲そのものにはそこまで幅がある訳ではないので、全体的に動きも少ないステージでしたが、サウンドは走っており、素直にカッコ良かったの一言。

橋本絵莉子:
バンドっていつもカッコイイくないとって思うんです。

福岡晃子:
出したくないっていう曲を出さなきゃいけなかったり、カッコ悪いと思っているようなことをやらなきゃいけなかったりとかいうことは、やってしまうと本当にダサくなるし、すっごい不健康だと思うんですよ、そういう音楽って。

言っていることはごく当たり前のことでも、それをプロとして実践し続けるということは、実はとても大変なことだろうと思います。バンドが常にカッコイイ状態であること、出したいと思う曲を産み続けること。ライブ向きのバンドであるという利はあるかもしれませんが、ここまで音楽に対して純粋で真っ直ぐな姿勢をもって活動しているバンドというのもそうそうあるものではありません。今回のライブを堪能して、チャットモンチーのオリジナリティ、音楽性を改めて見直しました。独特な詩の世界観と力強いロックサウンドでシーンに一石を投じるチャットモンチー、今後も素直に貪欲に音楽を追究する彼女たちから目が離せません。

ARCHIVES

  • Browse All Archives [1746] »

RECENT ENTRIES