「仮面ライダーディケイド」公式サイトオープン
Posted by ramhorn05j
2009年1月25日(日)朝8:00より放送が開始される「仮面ライダーディケイド」のテレビ朝日公式サイトがオープンしました。現在公開されているコンテンツは少なく、放送開始に向けて着々と準備が進んでいる最中ですが、イントロとニュースでは作品の概要が確認出来ます。
すべてのライダーと出会い、戦うこと!?それがディケイドの運命…。
クウガの世界、キバの世界、電王の世界…。これまで並行に存在していた「仮面ライダー」の世界が融合を始めてしまった。世界は入り乱れ、それぞれの世界の敵、すべてが同時に現れる。このままでは世界がすべて崩壊してしまう。
門矢士(かどや つかさ)たちに与えられたミッションは、世界を救うため、
9つの世界をめぐる旅に出ることだった…。
その旅の本当の目的とは?
どうすれば世界を救えるのか?
ただひとつわかっていること。それはディケイドはすべてのライダーを破壊するかもしれない存在ということだ。
ディケイド=士とは何者か?謎を抱えつつ、士は一つ一つのライダー世界を巡り、一人一人のライダーと出会っていく…。
テレビ朝日|仮面ライダーディケイド
平成仮面ライダーシリーズとディケイドの意義
石ノ森章太郎が直接制作に関わったTVシリーズ最後の作品であり、昭和ライダーシリーズ最終作でもある「仮面ライダーBLACK RX」が放映されたのが、昭和63年から平成元年に掛けての遷移を跨いだ1988年〜1989年。それから約10年後、放送局をTBS系列からテレビ朝日系列に変更し、大人の視聴にも耐え得る本格特撮ドラマの復興を目指して、2000年よりTVシリーズ制作を再開したのが平成仮面ライダーシリーズです。
- 仮面ライダークウガ
- 仮面ライダーアギト
- 仮面ライダー龍騎
- 仮面ライダー555(ファイズ)
- 仮面ライダー剣(ブレイド)
- 仮面ライダー響鬼
- 仮面ライダーカブト
- 仮面ライダー電王
- 仮面ライダーキバ
平成仮面ライダーシリーズは、大人でも展開が読めない屈折したストーリーと魅力的なキャラクターが、片や背伸び盛りな子供達を巻き込み、片や奥様方を夢中にさせ、家族みんなが楽しめる特撮作品としての評価を不動のものとすることで、来年で実に10作目を数えるという、昭和仮面ライダーシリーズを超える作品数を記録する人気シリーズに成長しました。また、平成仮面ライダーシリーズは、オダギリジョーを始め、要潤、細川茂樹(便宜上)、水嶋ヒロ、佐藤健といった人気俳優を続々と輩出していることから、若手俳優の登竜門としての地位も確立しています。
そんな平成仮面ライダーシリーズの10周年記念番組として制作される作品がこの「仮面ライダーディケイド」。“DECADE”には「10年間」の意味があり、この新番組には、10周年を迎える平成仮面ライダーシリーズ総決算としての、記念イベント的な意味合いが込められています。
コンセプトは、過去9年間の平成ライダーが総登場する“お祭り感”。1にも2にも、この歴代平成ライダー総出演という設定が「仮面ライダーディケイド」の肝となっています。個々の作品世界はパラレルワールドとして再定義される模様ですが、単純なマッシュアップというには余りある興味深い内容となっており、謎が謎を呼ぶ様々な仕掛けが施されています。歴代ライダーが揃うまでには、衝突あり、共闘あり、といったお決まりの展開が用意されるものと思われますが、例えば、変身ベルト・ディケイドライバーには歴代ライダーの紋章が刻まれているので、最終的には9つのライダーの力を得たディケイドが究極のライダーとなり、破滅に向かう世界の救世主となるシナリオが予想されます。ディケイドライバーを介して歴代ライダーを召喚するのか、それともディケイド自身が歴代ライダーに変身するのかは不明ですが、どうやら剣以来のカードバトルになるのは確かな様です。
ライダー総登場、カードバトルといえば、1号ライダーからキバまでの全ライダーが登場するデータカードダス「仮面ライダーバトル・ガンバライド」の実写版としての性格をも伺わせる「仮面ライダーディケイド」の設定は、関連商品を展開するバンダイを始めとしたスポンサー企業にとっては美味しい素材。歴代ライダーの変身カードだけでなく、過去に発売された歴代玩具の再販などがあっても面白いのではないでしょうか。或いは、放映に合わせて平成仮面ライダーシリーズの廉価版DVDやDVD-BOXが発売されようものなら、これほど嬉しいことはありません。
個別の世界観をひとまとめにすることへの抵抗感
しかしながら、毎度のこと、バーコードをモチーフにしたディケイドのデザインは酷く個性的で、まるで悪役と見紛うほど。伝統的な昆虫系の顔立ちではなく、デジタルさながらなフォルムが特徴的で、電王とはまたベクトルの違ったアクの強さを感じさせますが、近年のスーツデザインに用いられていた“如何にも金属”を錯覚させる塗装技術や立体造形、重量感を感じさせる意匠は悉く省かれており、強化プラスチック製のアーマーマテリアルが剥き出しなので、質感は恐ろしくチープ。一見するだけでも、格好良さという点では見所がなく、そこに一切の魅力を感じさせないところが凄い。有象無象の中の一人という認識ならまだしも、「平成仮面ライダーの記念すべき10作目の主役」である上、全ライダーを統べる存在として、いずれは最強として君臨するライダーであろうことを考えると、この出で立ちは少々辛いものがあります。とはいえ、電王のプラットフォームの様に、これを変身前の素体と解釈すれば、ディケイドが他のライダーの力を得た時に、その造形に何かしらの変化が起こる、といった趣向が盛り込まれている可能性も考えられます。頭部がそのままバーコードを模していることからも、この釈然としないシルエットには、某かの意図があると思いたいところ。
ただ、そういった見た目にも派手で分かり易いライダーのデザインよりも、いちライダーファンとしては、ディケイドの基本プロットにこそ苦言を呈さなければなりません。正味な話、時代設定からして地続きの昭和ライダー大集合とは異なり、固有の世界観を破壊し兼ねないこの手のザッピングは、原作レイプではないけれども、得てして元の作品に思い入れのあるファンほど心中複雑なもの。「ディケイドの為に完結した他の作品がぶち壊しになるのなら、いっそ別物の方が良い」という部分で、パラレルワールドという設定は、一方では“お祭り感”を演出しながらも最大公約数への配慮を約束する一つの解ではありましょう。しかし、そうは言っても、仮面ライダーとは即ちそれぞれの心象風景に根差した唯一無二の偶像を頂く“ヒーロー”の物語であるからして、個々の作品に対する愛情があればこそ、「もう一つの世界」とは割り切れないのが人情。私がカブトに対して一家言ある様に、平成ライダー全体で見た時に、例えばクウガや電王の様に神格化されている作品があることを考えれば、ある意味で「仮面ライダーディケイド」は禁じ手を犯したとも思います。
コレジャナイ感を解消する為の手解き
そういった意味でも、この「仮面ライダーディケイド」には、期待感よりもまず先に、各種の素材の断片をどう料理して見せるのか、という点で興味があります。歴代キャストの出演がどの程度あるのかは分かりませんが、そんな部分も含めて、注目に値する作品であることは確か。公式ページで10人のライダーが一堂に会している絵面を見ても、平成ライダーには見事なまでに統一感がありませんが、そんな中でも、一際異彩を放っているのがディケイド。この異質感が徐々に薄れ、色々な意味でその違和感が中和された時、初めて“ディケイド”としての物語が完結するのかもしれません。
なお、一部では「仮面ライダーディケイド」は2クールでの放送予定で、その後、2010年度版の新シリーズを2009年半ばにスタートさせる方針であると噂されています。これは、現在の放送スケジュールでは、通年で最大の売り上げが見込める年末商戦にタイミングが合わず、玩具の売り上げが伸び悩んでしまうという商業的欠点を補う為の処置であると推測されており、秋に番組をスタートさせることで、年末商戦でも新学期商戦でも玩具が売り易くなるというスポンサーの意向によるものであるとのこと。