2009年01月31日 (土)

PSU、春のアップデート内容が公開

セガは、Windows PC / PS2向けに提供しているMORPG「ファンタシースターユニバース イルミナスの野望」の追加アップデート実施内容を公開しました。

http://phantasystaruniverse.jp/news/update/

今回のアップデートでは、ファンタシースターシリーズに登場した武器や服などを含む新規アイテムが160個以上追加される他、レベルキャップまで到達したキャラクター向けに、経験値を貯めることで、キャラクターの能力をカスタマイズ出来る戦闘バランス機能の追加が実施されます。また、新たにオプション課金システムが導入される予定で、月額制のサーバー利用権の他にアイテム課金制が追加されることで、料金徴収システムの見直しが図られることになります。

アップデートの実装は2009年春から随時の予定となっており、一度のアップデートで全ての追加要素が導入される訳ではなく、継続した小出し運営の実施が約束されています。なお、追加アップデートの対象プラットフォームはWindows PCで、PS2には一部の内容のみが反映されるとのこと。セガでは、先日よりWindows PC版クライアントの無料ダウンロード配布を行っており、性能的に限界の見えるPS2からの脱却を模索することで、集中と選択を本格化させています。


アイテムの追加

  • ファンタシースターポータブルに登場した武器や服等のアイテム
    ……新規グラフィックのアイテムを随時追加する予定

戦闘バランスの調整

  • フォトンアーツのバランス調整
  • タイプ、種族ごとのバランス調整
  • SUVウェポンのバランス調整
  • ジャストカウンター中を無敵状態に

キャラクターの能力カスタマイズ

  • レベルキャップに到達したキャラクターの獲得経験値をポイント(仮)に変換
  • ポイント(仮)を使って、キャラクターの能力をカスタマイズ
    ……使用することの出来るポイント(仮)の上限値やカスタマイズ出来る能力の項目及びその上限値は、随時追加を予定

マイルームの機能追加

  • 共有ボックスの機能拡張
  • エントランス間のアイテム移動

インターフェイスの機能追加

  • アイテム売却防止ロック機能
    ……大事なアイテムを間違って売ってしまわない様にロック機能を追加
  • オンラインステータスの機能拡張
  • チャットコマンドの追加
    ……シールドラインの変更などのチャットコマンドを追加

条件ミッション

  • 様々な制限が掛かった状態でクリアを目指すミッションを追加

課金システムの追加

  • オプション課金システムの導入
    ……ガーディアンズライセンス(サーバー利用権)の他に、PSUチケット(仮)を販売。PSUチケット(仮)を別途購入すると、専用ミッション、武器の強化、武器・シールドラインの属性変更、属性率アップなどゲーム内の様々なオプションサービスを利用することが可能。PSUチケット(仮)は追加して購入することが出来、貯めておくことが可能。

Logo:ファンタシースターユニバース イルミナスの野望

終わりの始まり、PSUレクイエム

目減りするプレイヤー人口からの収益拡大を目指し、料金を二重徴収するハイブリッド課金を導入するという禁じ手を犯したソニチ。モンハンFを含め、アイテム課金ゲーが量産される昨今、定額制の基本料金以外に課金をしない点がPSU唯一の良心であり、ライト層も気楽に楽しめる強みが他のネトゲとの差別化に繋がっていたことを考えると、この強みが消えるのはかなり痛いことだと思います。しかも、パッチで対応すべきバランス修正をアップデートのメインに据えるなど、流石は「モンスターの攻撃範囲が見た目に近くなりました」をメジャーアップデートの目玉にしたソニチはセンスが違います。

とはいえ、いずれにしても、春以降、PSUが課金を前提としたゲームバランスになるのは必至。内容の薄さと小出し運営を改善しないままハイブリット課金を敢行すれば、過疎に拍車が掛かるのは目に見えています。

率直な感想として、PSP「ファンタシースターポータブル」やDS「ファンタシースターゼロ」にばかり気を取られていないで、毎月税金を納めている現在進行形のプレイヤーのことも忘れないで欲しい、といったアクティブユーザーの潜在的欲求に対する回答が、ここまで見事に、想定の斜め上を行くアップデートとして返ってくるとは思いませんでしたが、しかし、考えても見れば、システムの根幹に関わる部分で問題の多いゲームでありながら、昨年末に発売された情報誌では既に「PSU→イルミナスほどの変化はない」と明言されており、開発チームには愕然とさせられこそすれ、期待感はほとんど無かったのが実際のところ。運営のサービスに対するやる気の無さばかりが透けて見える様を眺めていると、逆に言えば、そこまでPSUというプラットフォームには未来がないということなのでしょう。

ただ、ここに来てソニチはPCでの展開に本腰を入れ始めています。“随時追加”を“永続的に”と取るか“小出しに”と取るかはユーザー次第ですが、配信方法をパッチでの無料提供、つまり一般的なオンラインゲームの様に定期的にアップデートを行う形式に切り替えて来たということは、臨機応変なバランス調整や新要素の実装に展望がない訳でもありません。

運営コストを賄い、追加アップデートの開発費用を回収する為の苦肉の策、アイテム課金。しかし、最大限好意的に解釈すれば、そこは敢えてパッケージ販売を選ばなかったと考えるのが妥当かもしれません。実装先をWindows PC版のみに絞り、事実上PS2版を切り捨てることで、パッチを当て易くなり、アップデートの小回りが利く様になるのは大きなメリットです。それは、ソニチがPS2組をパージすることによる損失分も、アイテム課金で補うことが出来ると踏んでいる節があることからも読み取れます。意地の悪い言い方をすれば、パッケージを売っても定着率が低く、一時的な集客効果以上のものが望めない以上、ゲームを生かすのであれば、新規で金を取るよりも既存のエリートから搾れるだけ搾り取った方が金の回りがいい、即ち、RMTへの資金の流出を牽制しつつ、月額1,000円を徴収していたユーザーを10人失う代わりに、金を出すユーザー1人から月額10,000円を搾り取る方針に切り替えた方が、人口は減っても収支の面でプラスは見込み易くなるという点で、アイテム課金の導入は理に適っています。どの道、沈む船なのであれば、PSUを立て直すにはこれしかないという極め付けの一手であることは確かで、PS2組をパージしてもやって行けると踏んだというよりは、トレードオフの結果として、ここまでの大手術を施さなければ命に関わると判断したのでしょう。ソニチにしては思い切った戦略に打って出ましたが、その分、身軽になったのは明らかです。

徒労感のみをもたらす達成感皆無のシステム設計

しかし、ここに至るまでには長い道のりがありました。この一年のPSUを総括すると、PSU→イルミナスの野望における変化が与えたインパクトは長続きせず、非常に早い段階から問題を露呈していたと言わざるを得ません。そして、それはゲームの根幹に関わるもので、有志による人口調査では実に4桁を割り込むまでに至ったアクティブユーザーの持続的な減少にも繋がっています。

端的に言えば、MOとMMOそれぞれの悪いところを取り入れて作られたと評されるPSUにあって、ソニチには昨今流行のレベルデザインに対するセンスが決定的に欠けているだけでなく、そもそもが面白いゲームを作ろうという発想が微塵もないことが問題です。PSOで培った6年間のノウハウが「如何にしてプレイヤーをいじめ抜くか」にあったのでは話になりません。

例えば、PT人数に合わせてエネミーのアルゴリズムやステータスを調整するなど、柔軟な難易度設定を行う機能がシステムとして用意されていない為、PTにはヌルく、ソロには厳しいどっち付かずの中途半端なバランスがゲーム性を破綻させており、難易度の上昇手段はといえば、高速移動、高耐久、即死攻撃に終始しています。また、基本的にプレイヤーよりもエネミーの方が高性能で、エネミーにのみ許された回避行動、プレイヤーのPAアタックを潰しながら展開される一方的なスーパーアーマー、必死に背後を取っても意味がない脅威の旋回力、飛び道具、突進などの異様なホーミング性能と、テストプレイすらろくに行っていないのではないかというくらい、理不尽な仕様がてんこ盛りです。

加えて、エネミー同士は互いの動作が干渉し合うので、攻撃シークエンスや停止行動に入っているエネミーが他のエネミーに押し出されて移動すると、プレイヤーの技術とは無関係にハメ技を食らう場面もしばしば見受けられます。或いは、限られたテリトリーの中でエネミーの突進を避けることが出来ない、奇跡的に避けたとしてもエネミー自身が射程距離を逸脱することで消失し、走りの惰性が消えないまま再ポップし2回目の突進に突入するなど、ロジックでは対処しきれないケースが多過ぎます。そこに、必中の罠など悪意に満ちた地形配置が加われば、まさに運ゲーここに極まれりといったところ。キャリガインの暴走やウパクラダによるピンポンハメ状態が典型です。

更に、快適さを犠牲にして見た目重視のチューニングが施されたPS2版は、クライアントとしての致命的な問題を抱えており、エフェクトを削っていながらなお鈍重、かつプッシュレスポンスが欠落するバグ紛いの操作不良が頻発する状態でのプレイを強いられるので、PTを組むも地獄、組まぬも地獄のPS2版は、根本的な部分で欠陥を抱えた粗悪品であると断罪せざるを得ず、即ち、クソゲーである、というのが一年越しに導き出される結論です。じゃあ、そんなクソゲーをなんで今でもやっているのかと聞かれれば、それは唯一無二のフレンドがいるからに他なりません。ネトゲの魅力である人間関係を集約する優れたインターフェイスが、PSUが唯一誇れるチャットゲーとしての矜持。PSUで出会った貴重な遊び仲間がいなければ、僅かな物欲と電子資産への執着だけで、PSUがここまで長続きすることはありませんでした。

妄想と現実の狭間で

それらを踏まえた上で、ゲーム性に劇的な変化はなくとも、システム面でバランス調整と追加要素を増やしてくれればそれでいい、そう考えていた時期が私にもありました。PSUが、片やPC、片やXbox 360で展開されていることを鑑みれば、PS3市場が収穫期に突入しつつあることを考慮しても、PS2→PS3へのアップグレードを画策するにはいい機会だったと思いますが、セガの経営判断はシビアなものでした。

───サービス精神の欠如した運営に光明を見出すことは困難であるものの、一方で、ゲームそのものには潜在的な見込みがあります。グラフィックスの向上に加え、制約の多いレガシーシステムから解放されることで、プレイヤーにマゾヒスティックな負担やリスクを強いていた旧態依然としたシステムの限界値の底上げと、ゲームデザインの発展が期待されます。特にPS2版は、緩慢なレスポンス、常態化している処理落ち、任意のエネミーをロックし続けることが出来ないロックオンの不具合や攻撃操作を受け付けないタイムラグの存在など、攻防一体のアクションが成立しない戦闘回りの欠陥が、どこまでもイライラを募らせる仕様だったので、ようやく出来損ないのクライアントから卒業出来るかと思うと、それだけでもアップグレードの価値があります。

……と、PS3版が発表された暁にはそんなことを書いてみたかった。しかし、これでも一時は「PSUを終焉まで見届けたい」と思う程度には純国産MOとしてのポテンシャル、ポスト・モンハンとしての可能性に惹かれていたゲーム。今回の追加アップデートは辞めるには充分な内容ですが、Windows PC版への移行も目処が立っているので、最終的に引退するかどうかは課金内容を見てからでも遅くはないと感じています。

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