「Coda」を購入しました
Posted by ramhorn05j
「Coda」や「Transmit」といったMac用のソフトウェア開発で有名なPanic社が、5月27日〜5月29日の期間限定で50%オフのセールを実施中です。「Coda」「Transmit」を含む同社の主力製品が一律半額で提供されています。
Panic社製のアプリケーションでは「Transmit」を愛用していますが、これまでフルプライスではおよそ10,000円という価格に躊躇していた「Coda」が半額ということで、衝動的に購入してしまいました。O.Z.K.にとっては宝の持ち腐れという気がしないでもありません。
テキストエディタ + Transmit + CSS エディタ + ターミナル + ブック + more = 無限大。
コーダを導入して美しいコードを育てましょう。
パニック・ジャパン - Coda - Mac OS X 用 シングルウインドウ Web 構築環境
Web制作は、デザイナーのポリシーによって大雑把に「Dreamweaver」かテキストエディタか、つまりWYSIWYGか手書きかのいずれかに分類することが出来ますが、「Coda」はWebサイトをWYSIWYGではなく、手書きで制作しているプロフェッショナルに向けたソフト。例えば、同様に「RapidWeaver」が自動化ツールの集大成であるならば、「Coda」は手打ち系ツールの真骨頂という訳です。
「Coda」はMac用Web統合開発環境を謳うだけあって、「テキストエディタ+FTPツール+CSSエディタ+ターミナル+電子ブック」がシステムの元に一元化された贅沢な構成で、コーディングに必要な機能がコンパクトにまとまっています。Macでは、テキストエディタやFTPソフトなど、単体のアプリケーションでは優れたものも多く存在していますが、こういった統合環境は少ないので、「CSSEdit」をベースに開発された「Espresso」と人気を二分する「Coda」の素性の良さは際立っています。
Web屋の為のアプリケーションにして、Macにおける理想的なオールインワンエディタである「Coda」は、「SubEthaEdit」や「Transmit」といったMacユーザーには名の知られたソフトをエンジンとして組み込んでおり、コーディング作業からファイル管理までのワークフローを一つのウィンドウに任せてしまおうという趣旨の元で、コーディングとチェックの効率化を追求したアプリケーションです。構文モードでソースコードを補完するエディタ、SafariのレンダリングエンジンであるWebKitを採用した能率的なプレビュー、サーバ上のファイルを直接編集することも可能な「Transmit」譲りのFTP機能、同一画面内でSSH操作も出来るターミナルまで、ウェブ開発に必要な各機能を網羅し、サイトのクリップからシェルコマンドまでをも幅広くこなしながら、編集、ファイル管理、FTPをこれ一本で完結します。
DWに比べればシンプルなアプリケーションですが、その分、動作は軽快で使い易く、何よりも、ネイティブアプリケーションであることをよく理解した上でのPanicの仕事ぶりと、徹底的に作り込まれたフロントエンドのデザインが優秀で、触っているだけでも気持ちが良い。要所に挿入されるアニメーションによるエフェクトは作業を邪魔することなく、しかし、細部に渡って趣向が凝らされていて、サイトを登録すれば自動的にトップページのキャプチャをアイコン化してくれるなど、気の利いた仕掛けも満載。Macならではの大胆で美しいインターフェイスが、「Coda」を使うことに喜びさえ与えてくれます。
それは同時に、「ハンドコード派のためのエレガントなエディタ」という触れ込みを掲げる「Coda」でもあるので、とかく使い勝手にも配慮されている印象です。機能的なインターフェイスを活かした自由度の高い画面レイアウトが、それぞれの作業環境に合わせた快適なソース管理の仕組みを実現すれば、デフォルトで採用されているBitstream Veraをベースにした"Panic Sans"フォントは、一見地味ながらも視認性の高い等幅スタイルで、かなり見易いのがポイント。他方、インクリメンタルなコード補完機能も秀逸で、高品質なリファレンスブックと連動しながら、開始タグや完了タグ、属性の入力支援を行ってくれます。シンタックスチェック機能も含めたプッシュアップのレスポンスが非常に良いので、慣れてしまうとかなり爽快なコーディングが出来る様になります。
これが揃ってシェアウェアで90ドル、半額で45ドルとそこそこの値段ではあるのですが、40,000円超のDWに比べればかなり魅力的な価格です。DWより機能的に劣る部分は当然ありますが、逆に「Coda」の方が優れている部分もあるので、どちらかが足りる足らないということではなく、用途に合わせたアプローチを考えてやるのが妥当な使い方だと思います。ただ、Webサイトをタグ打ちで制作するデザイナーにとっては、DWの機能は必ずしも必要なものばかりではありません。低価格ながら充実したオプションを備え、アップロードファイルの先祖返りを防ぐ様な工夫を随所に盛り込み、小回りの利く開発環境を提供する「Coda」は、大規模な案件にも対応する柔軟性を持ちながら、一般的な企業サイトなど小規模な物件を制作するのに最適なビジュアルを提供します。
クリップやブロック編集、検索・置換機能など、まだまだ試していないことは沢山あるのですが、総じて、痒いところに手が届くおもてなし仕様のお陰で、私にとっては今のところ、これが統合エディタとしては一番手に馴染んでいます。日本語の対応も丁寧で素晴らしいのがPanic社の良いところであると併せて強調しておきますが、Web制作において、他のアプリケーションを跨いで移動する必要がなくなるというだけでも、これは結構なエネルギーの節約になるのではないでしょうか。「Coda」は、決してコーディングだけに特化している訳ではなく、エレガントな開発環境を包括的に提供してくれるので、どうせMacを使うならもう少しスマートなデスクトップを目指してもいいんじゃないか、という主張に説得力を持たせてくれる素敵なアプリケーションです。