2009年06月26日 (金)

「VMware Fusion 2」を購入しました

Macソフトウェアの販売でお馴染みのact2が5月25日〜6月30日までの期間限定でリニューアルキャンペーンを実施中。人気ソフトが特別価格で提供されています。といっても、実質的な目玉は6,800円の「VMware Fusion 2」のみ。良い機会だったので、「StuffIt Standard 2009 for Mac」を上乗せして購入してみました。

Image:act2 ストア リニューアルキャンペーン

「VMware Fusion 2」は、先進の仮想化技術によって、一台のIntel Mac上でMac OS X、Windows、及びLinuxの同時実行を可能にする仮想化ソフトウェア。OSを切り替える度に再起動する必要がなく、Mac OS Xの機能と操作性をそのまま使用することが出来ます。

Macに対応した仮想化環境で、パフォーマンスに優れたソフトウェアというと「Parallels Desktop for Mac」が挙げられますが、機能的には「VMware Fusion 2」とほとんど違いがありません。共に最新バージョンではBoot Campとの共存が可能となっているので、兼ねてから物欲候補には数えられていましたが、最終的に決め手となったのは、VMwareのネームバリューと安心の日本語サポート、そして価格です。

既に構築されたBoot Camp環境を利用する場合は、基本的にパーティションをインポートするだけでそのままWindowsを実行することが出来ますが、バージョン2では、仮想化ソフトウェアに特有の環境であることを意識させることなく、普通のアプリケーション感覚で使えるカジュアルな操作性を実現しました。特に、複雑な技術的背景を仲介する環境設定ではGUIで設定出来る項目が増えており、Mac OS Xとの親和性が向上したことで、全体的に痒いところに手が届いている感じです。

デフォルトでは、アプリケーションフロントエンドにWindowsのデスクトップを表示するシングルウインドウモードが立ち上がりますが、全画面表示のフルスクリーンモードは勿論のこと、デスクトップを表示せずに個別のウインドウだけを直接表示するユニティモードも搭載されており、トレンドに満遍なく対応しています。

MacとWindowsを本格的に往来させる使い方では、一つのファイルをMacとWindowsのどちらからでも開くことが出来る共有フォルダ機能が便利。一つのファイルを二つのOS間でシームレスに操作することが可能なので、VMwareを介することでシステムの一元化を図りながら、プラットフォームの垣根を取り払った柔軟な仮想化環境を再現しています。また、ミラーフォルダ機能では、MacとWindowsでファイルをミラーリングさせることが可能。詳細な設定項目で制御を振り分けながら、OSに跨がってドキュメントを自動的に同期してくれるので、ソース→サブの様にファイルのバックアップに使えるだけでなく、更新差分に頭を悩ませる必要もありません。勿論、OS間のドラッグ&ドロップにも対応しているので、これらVMwareが備える基本的な機能とインターフェイスを活用することで、Macの箱庭を越えた同時多発的な共同作業が実現します。

尤も、Boot CampをVMwareで共有するとパフォーマンス的には若干不利なので、PSUなどの高負荷な3Dゲームは起動こそするものの、快適な動作には程遠いことを踏まえておく必要はあります。反面、これまでWindowsの需要自体はBoot Campでも充分に賄えるものでしたが、あくまでもMacの補助役としてスタンバイさせていることを考えると、彼我における現実的な運用方法はMac非対応サービスを一時的に待避させる、といったケースに限られます。その場合、わざわざBoot Campを立ち上げる必要がないVMwareの使い勝手の良さ、可搬性の高さには大きな利点があり、更に、仮想化ソフトウェアを利用するメリットは、Mac側との細かい擦り合わせの作業が必要となるクロスブラウザチェックや、アップデートの効率化にも潜在しています。中でも、ソフトウェアアップデートやWindows Updateではマシン自体を再起動する必要がなく、また、それに伴うフリーズや再起動の失敗など、Boot Campに固有の不具合を回避することも出来るので、円滑なWindowsの運用が可能となります。難点は、VMware Toolsとスタンドアローンなドライバが混在することで、Boot Camp側の設定に齟齬が生じ、アプリケーション実行環境が衝突することですが、まぁ、これについてはそのうち何か対策を考えます。

今回、実際に二つのOSを同時に運用してみましたが、動作の重さをストレスに感じる場面が想像以上に少なかったのが印象的です。手応えは、まさにMacの中でWindowsマシンが動いている感覚ですが、VMwareが大抵の誤謬を吸収してくれることを考えれば、応用次第で実に幅広い活躍が期待出来ると思います。良い買い物をしました。

Image:StuffIt Standard 2009 for Mac

一方、圧縮・解凍・暗号化をより手軽に便利に利用する「StuffIt Standard 2009 for Mac」は、ファイルの圧縮・解凍といった基本的な操作から、暗号化までをカバーする、圧縮・解凍の為の基本セット。インターネット上で取り扱われているほとんどのエンコード形式に対応するアーカイバの定番で、Mac OS X標準のアーカイブ機能を補完してくれます。

バージョン的には13番目のリリースですが、“13”という数字を嫌ったのか、“2009”と銘打たれた最新のStuffItは、ZIPからLHAまで、引き続き主要な圧縮フォーマットのほぼ全てをカバーする汎用性の高さがウリですが、アプリケーション自体がコンパクトで使い勝手が良いのが特徴です。Mac OS X以降、アーカイブ機能がOS標準で搭載されてからというもの、StuffItも存在感が大幅に薄れていますが、これも実際には地道なブラッシュアップが成果を上げており、特に、バージョン12以降はエンジンがパッケージに内蔵される様になったので、システムを汚しません。Mac OS X黎明期の行儀の悪さがすっかり改善された現在のStuffItは、非常にスマートなアプリケーションに生まれ変わっています。

ZIPの圧縮はOS標準で、SITの解凍はExpanderで充分なので、これが果たして万人に必要なツールかというと疑問ですが、圧縮したファイルを取り扱う機会が多いユーザーには便利なユーティリティだと思います。拙環境では、「レガシーアーカイバ『Zippist』を代替する暗号化ツールのニーズと必要性」という部分だけでも使い出があるのは確かですが、流石に価格は割高で、Deluxeには手が出ませんでした。

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