2009年12月31日 (木)

Summary of 2009 - VAIO X

これより先、何件か続くかもしれないし続かないかもしれないramhorn05j的2009年総括エントリ第一弾。とりあえず今回は、ノルマを達成しつつ溜まった草稿を消化する為の縮小再生産系簡易更新です。

個人的に2009年は、何と言ってもMacBook Pro Late 2008によって4年ぶりに更新されたデスクトップ環境がホットピックスだった訳ですが、その繋がり(?)で今年特に気になったガジェットを振り返るとすれば、未だにミーハーなソニーっ子としては彼らの迷走ぶりを生温く見守りたいという意味でも、やはり久々に往年のVAIOらしい色気を感じたVAIO Xを挙げたいところ。

VAIO X オーナーメードモデル プレミアムカーボン

VAIO Xは、かつての505 Extreme(PCG-X505)を彷彿とさせるスリムボディが特徴のモバイルノートPC。505 Extremeも薄型軽量にこだわった製品でしたが、カーボンファイバー製の筐体が大量生産に向かなかったことや、スペック重視の仕様が響いて、かなり高価な代物でした。にも関わらず、バッテリは標準で一時間程度、また、モデムやLAN、外部ディスプレイの利用にはPCカードや外部アダプタ、専用コネクタが必要など、実用面では苦しい部分があったのが実情です。

それに対して今回のVAIO Xでは、薄型軽量のフレームに加えて長時間駆動を実現しており、技術面での正統進化の恩恵を受けると同時に、コネクタを独自開発することでLANポートやVGA端子の内蔵を実現するなど、各所に工夫が凝らされています。先達の反省点を活かしながら、505 Extremeの後継機としても、着実に「美しくPCを持ち歩く」というノートPCの原点であり理想であるコンセプトの完成型に近付いている印象です。

主な仕様は、Intel Atom Z540(1.86GHz)/ 2GBメモリ / 64GB SSD / 11.1型LEDバックライトワイドスクリーンディスプレイ(1,366×768ドット)/ 最厚部13.9mm / 重量655g。Windows 7 Home Premiumを搭載し、無線WAN機能に対応する他、4セルのLバッテリで約10時間、8セルのXバッテリで約20.5時間の駆動を実現しています。

本体には、カーボンファイバーとカーボンファイバーの間に特殊シートを挟み込むことで、軽量でありながらノートPCと同等の強度を維持する新構造のハイブリットカーボンを採用。その軽薄さの象徴である、本体の厚さギリギリに配置されている剥き出しのVGA端子が印象的です。これらを〆て、発表当初の店頭予想価格はおよそ110,000円でした。

しかし、こうなると当然気になるのがVAIO Pとの競合ですが、ソニーとしては、VAIO Pシリーズをコンシューマ向けのエンターテイメントPC、VAIO Xシリーズをコンシューマ&ビジネス兼用マシンとして提案することで市場に評価を委ねた様です。ただ、ソニーマーケティングでは“ネットブック”や“ポケットスタイルPC”といったフレーズを使い分け、様々な言葉遊びによって各々が領域の違いを主張していますが、実際問題として、VAIO XによってVAIO Pの立ち位置が微妙になってしまった感は否めません。

また、一寸脱線すると、Windows 7のローンチに合わせて、VAIO秋モデルの目玉として登場したVAIO Xですが、このファミリーだけでも実にノートPCが9シリーズ、ボードPCが2シリーズラインナップしており、何故こうも無駄に種類が多いのか。メーカーは数が多いこと、多機能なこと、用途が多ければ多いほどお買い得感がアップすると信じて、様々な利用法を紹介して商品をPRしていますが、果たしてそれが本当に消費者の利益、ひいてはメーカーの利益に繋がっているのか。ソニーにしても、まずはこの辺りから発想を転換してみる必要があるのではないでしょうか。彼らがライバル視するAppleに特有のシンプルさこそ、収益の最大化と機能美を追求したロジックだと気付けば、引き算の美学に学ぶべきところは多いと思います。

とはいえ、まあまあ、良くも悪くもVAIO XはソニーのDNAによって誕生したものであることは間違いなく、ソニーが得意とするハードウェア分野での技術力が遺憾なく発揮された好例です。プロモーションで用いられた「細部への情熱」「極限の薄さ」といったキーワードが強調する日本趣味も、ソニーの真骨頂とも言えるデザイン部分とユーザーベネフィットの両立は見事。例えば、広義にライター向けに特化したことで、実際は歪なスペックとオプションが買い手を選んでいたVAIO Pに比べて、VAIO Xは圧倒的に汎用性が高く、乱暴に言ってしまえば「使い方を想定して買わなくても失敗しない機種」。見方を変えれば“尖っていない”ということかもしれませんが、VAIOシリーズのイメージを損なうことなく、デザイン、ロングライフ、超軽量の要素を兼ね備えた製品を作り出した功績は素直に評価してあげたいところです。

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