2010年03月14日 (日)

フラアリー - Flower

2月期は、高難易度ミッションやオンライン要素を除いた各トロフィー項目のコンプリートを目指して、既存タイトルの攻略達成率の底上げを図りつつ、主に

  • アクアノーツホリディ~隠された記録~
  • 428~封鎖された渋谷で~
  • Flowery(原題:Flower)
  • ベヨネッタ

の4本を集中的に消化。アクアノーツホリディ~隠された記録~ / 428~封鎖された渋谷で~ / Floweryはそれぞれ獲得率100%を達成し、前二者は貴重なプラチナ・トロフィーに。ベヨネッタは同78%まで到達したところで一先ず区切りとしました。

雑感

海中散策を楽しむつもりが、いつの間にかタチの悪い音ゲーもどきに付き合わされていた……肝心の航行モードで処理落ちやロードが頻発する作り込みの甘さや、ソナーゲームを筆頭にただただ不毛な作業が必要となるゲーム性など、素材の良さを味付けが殺している感のある「アクアノーツホリディ~隠された記録~」。海底の神秘やサンクチュアリのロマンというよりは、妙に宗教じみたお説教が鼻に付くシナリオを含めて、少々残念な仕上がりとなっている海洋探索アドベンチャーの最新作に対して、「428~封鎖された渋谷で~」「Flowery」については、新規のオリジナルタイトルでありながら既に良作としての評価が確立されている作品であり、内容が充実しているので、ゲームそのものを楽しみながら、ステージを進行する過程で自然とトロフィーのコンプリートが狙えるのがポイントです。

特に、Games of the Year 2009の部門賞に度々名を連ねた「Flowery」は、PSN配信タイトルの中でも極めて質が高く、詩的な空想の旅を演出する穏やかな世界観は“ポエティックアドベンチャー”としてのヒーリング体験を提供しながら、モーションセンサー機能を利用したユニークな操作性と軽快なレスポンスはゲームとしての爽快感をも持ち合わせています。トロフィー稼ぎにも最適な一本ですが、何より手頃なPSN配信タイトルとしては抜群のセンスを誇る作品なので、一本あるとちょっとした息抜きや気分転換に重宝すると思います。

Flowery

一方、曰く付きの「ベヨネッタ」は、初見でノーマルを1週した後、攻略情報を参照しながら2週ほど周回を重ねましたが、サポートが手厚く、比較的熟成されているシステム設計に比べると、アクションとしてのテンポや没入感を妨げる失敗即死亡の初見殺しQTEの氾濫を始めとして、ゲームパート自体にプレイアビリティを阻害するストレスフルな要素が多過ぎるので、作品そのものに対しても色々と言いたいことがあります。が、それ以前の問題として、PS3版の劣悪な仕上がりには閉口せざるを得ません。

SCE提供のHDDインストール対応パッチによりロード時間こそ改善されましたが、解像感に乏しい低品質なグラフィックや不安定なフレームレートなど、アクションゲームの生命線に拘る幾つかの重要な問題は、当然、解決する見込みがありません。例えば、60fpsを下回りながらも常に変動しているフレームレート(或いは内部的な処理落ち?プッシュレスポンスが喪失する不審な挙動)は操作性にも重大な影響を及ぼすもので、極端な話が、全く同じタイミングでボタンを連打していても、シーンによって技が出る時と出ない時がある───即ち、シーンによってアクションの再現性が違う、といった現象を引き起こします。まるでPS2版「ファンタシースターユニバース」の悪夢を見るかの様で、こういった些細な理不尽とストレスの積み重ねが、プレイ意欲を大きく削ぐことになります。

昨今のマルチタイトルにしては驚くほど素性が悪いPS3版の移植完成度、かといってゲームそのものも微妙。連日の「ベヨネッタ」疲れで、最終的には達成感どころか徒労感のみが残ったというのが何とも言えず、“新次元”が聞いて呆れる左様な出来では、かつての「デビルメイクライ」の様に、ヘタクソでもノーマル&ハードを10週してアイテムを集めるだけ集めて、努力と根性で最高難易度をクリアしてやったぜ!なんて情熱は湧こう筈がありません。

→いずれにしても「ベヨネッタ」を購入するのであればXBOX360版一択
→しかしハードを牽引するほどの魅力があるタイトルではない
→じゃあ結局買わなくてもいいゲーム

ということに……当然、そうなりますね。プラチナゲームズのマイクパフォーマンスが一貫して大袈裟なものだっただけに、事前の期待の大きさに比例して落胆も大きく、神谷英樹ディレクターへの絶対的な信頼感は同様に揺らいでしまったと言わざるを得ません。

追伸

他にPS3に関連するところでは、PlayStation Storeにおける目玉コンテンツとして、先行配信が話題を集めた「機動戦士ガンダムUC」がホットピック。既にBlu-ray版の販売も開始されていますが、即日ダウンロードして視聴した感想としては、原作自体に若干懐疑的で、映像についても予告編を見る限りではあれほど微妙だと感じていた第一印象がまるで嘘の様に、ある意味では拍子抜けするほど、普通に面白い。少なくとも思っていたよりはずっと面白かった。HDレンタルで1,000円というのはちょっと高いですが、それでも……と一歩を踏み込ませる力がある作品なので、宇宙世紀に感心があるファンは元より、一見しておいて損は無いと思います。

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