2010年05月07日 (金)

Brand New Release Transmit 4 !

icon:Transmit 4

Mac向けの高品質なソフトウェア開発で知られるPanic社の看板アプリケーションの一つであるFTPツール「Transmit」が、2005年のバージョン3リリースから実に5年ぶりのフルモデルチェンジ。ユーザーインターフェイスの全面刷新を始め、64bitモードへの対応やエンジンの最適化など45以上の新機能を追加して、メジャーバージョンアップを果たしました。

相変わらずローカライズも丁寧で素晴らしい仕事ぶりですが、見た目が一新され、以前のバージョンに比べて最大で25倍もの高速化を実現したバージョン4では、操作性、快適性、安全性の向上と、エンジン性能の向上によるスピード重視のチューニングなどが特徴として挙げられます。バージョン3の豊富な機能と装備はそのままに、従来の直進安定性を更に突き詰めたことで、走りはよりアグレッシブになりました。触りだけでも、以前のバージョンとのハンドリングの違いがよく分かると思います。

image:Transmit 4

中でも、最もインパクトのある外観上の変更点はそのまま使い勝手の向上に直結しており、Finderの操作感により近付いたのがポイント。レガシー然としたルック&フィールの象徴だったドロワーから解放されたモダンなインターフェイスは、Snow Leopard世代の最新のトレンドを取り入れながら統一感をもって整理されており、視認性、俯瞰性、閲覧性が大幅にアップしています。また、ローカルで設定したラベルカラーが反映される様になったファイルブラウザも扱い易く、各フォルダ間を遷移するリンク機能も、基本的には以前と同様のものが、パスバーやペインの切り替えなどによって、トータル的にはかなりバランスが良くなっています。

一方、ユーティリティでは「Transmitディスク機能」が追加されており、Transmitが起動していない状態でもFinderにリモートサーバをマウントすることが可能で、外部ネットワークディスクを扱う感覚でファイル操作を実行出来る様になりました。SFTPサイトも、WebDAVサーバも、Amazon S3ディスクも同様にマウントすることが出来るので、ちょっとしたファイル管理の自動化や直接編集に威力を発揮するであろう、なかなか便利な機能です。

ざっと眺めた限りでは、あらゆるアクションがもたつきなく高速に動作するので、実用性は勿論のこと、それ以上に快適。軽快で使い勝手が良く、触っているだけでも気持ちがいい───このことが何よりも他のアプリケーションとの差別化に繋がっており、Transmitの価値を高めていますが、それも結局は、ネイティブアプリケーションであることを充分に理解した上でのPanicの仕事ぶりと、それを端的に示唆するロケーションとして、徹底的に作り込まれたフロントエンドのデザインによるところが大きいのだと思います。

同時に、遊び心という部分では、要所に挿入されるアニメーションによるエフェクトは作業を邪魔することなく、しかし、細部に渡って趣向が凝らされていて、気の利いた仕掛けも満載。Macならではの大胆で美しいインターフェイスが、気分をちょっぴりリッチに、そしてTransmitを使うことに喜びさえ与えてくれます。

ちょっと気持ち悪いくらいの大袈裟な礼賛ぶりですが、そこはまあ、私がTransmit大好きっ子であるからしてしょうがない。実際の仕上がり具合がどんなものかは、是非とも皆さんの環境で試してみて下さい。個人的には、Mac OS Xの5年分のテクノロジーを凝縮した充実のアップデートであるという確かな手応えを感じています。Transmit 4のエンジンを組み込んだCoda 2への期待も高まりますね。

リンク:http://www.panic.com/jp/transmit/

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