2010年12月18日 (土)

Sennheiser HD598

ヘッドホン愛好家……と言うと大袈裟ですが、日頃からヘッドホンを常用しているヘビーユーザーとしては、いつかは使ってみたい、一度は使ってみたい憧れの存在であるゼンハイザー。して、今秋発売されたHD598で遂に私もゼンハイザー・デビューを果たしたゾ。遺産財産と呼べるほどの派手な蓄えは持ち合わせていない我が家ですが、それでも生前の計らいで逼迫した家計を随分と助けて貰っていることを考えると、これもある意味、昨年亡くなった祖父からのプレゼントと言えるかも。

Amazon.co.jp:Sennheiser HD598

オープンエアーの定番、HD500シリーズのトップエンドHD595の後継モデル。新開発のAdvanced Duofolダイアフラム採用。オープンエアーの醍醐味を満喫できる、抜群の安定感。ケーブルの着脱も可能です。2010年秋発売。

http://www.sennheiser.co.jp/system/xb/sen.user.ItemDetail/id/274.html

パッと見ではご覧の通りの配色なので、プリン色がちょっとなぁ……と最後まで思っていましたが、まあ装着してしまえば視覚を遮るものではないので問題ありません。フレームの材質がプラスチックなので強度と質感はそれなりですが、フォルム自体はスッキリしていてGOOD。軽量で扱い易く、ソフトな側圧とフィット感抜群のイヤーパッドのお陰で、着け心地も良好。仕様上、MDR-CD2000の様な圧迫感がないので、実際のところ、この開放感はなかなかのものです。

さて、HD500シリーズのトップエンドとはいえ、HD598はAmazon.co.jpでも20,000円ちょっとで買えるヘッドホンなので、従来使用していたMDR-CD2000と入手価格ではほとんど変わりません。が、それでいて「ここまで違うか」というくらいに音質が違うのには驚きました。

重心はやや低音寄りで、籠らずしっかりとした低音を鳴らしますが、かと言って高音も艶やかで聴き易く、定位がしっかりしていて全体的にハイレベルなバランスが確立されています。また、浮つかない落ち着いた音色で当たりが優しく、長時間のリスニングでも疲れません。総じて、フラットで現実的な音作りですが、MDR-CD2000と比べても表現力は豊かで、ヘッドホンの向こうに壁を感じさせない音場の広がりや、各パートの分離、解像度は明らかに別物。個人的にソニーのドンシャリは決して嫌いではありませんが、何か根本的に物が違うというか、耳から鱗というか。

ポイントをまとめるとすれば、トータルバランスの良さ、聴き心地の良さ、そして、ヘッドホンアンプを噛ませずにここまでの音が出ること、ということになると思いますが、何にせよ「ゼンハイザーのオープンエアは伊達じゃない」ということですな。基本性能が高く、これ一台でフレキシブルに何でも聴けるHD598は、コストパフォーマンスの非常に高い製品だと思います。まだ使い始めて一週間ほどなので、エージングが進めば更に楽しめそう。末永く愛用できそうです。

追伸

一点、注意が必要なのは、接続ケーブルがΦ6.3mmステレオ標準プラグであること。一般的なΦ3.5mmステレオミニジャックと繋ぐには付属の変換アダプタを被せる形になりますが、そうすると元のプラグと変換プラグを合わせた全長がかなり長くなるので、例えば、液晶ディスプレイRDT232WXの様にヘッドホン端子がフレームの下部に付いていて空間がないと、プラグが支えて差し込み口に入らなかったりします。

なので、今のところ接続はステレオミニプラグ←→ステレオ標準ジャックを変換するVictor製のケーブルアダプタCN-233Aで中継しています。CN-233A自体は金メッキ処理の施されていないプラグに質素なOFCケーブルを組み合わせただけのアダプタなので、値段は手頃ですが、その分「ステレオ標準プラグをステレオミニプラグに変換する」シーンを想定した製品としては少々作りがチープ。しかし、この構成の変換アダプタとしては他に類似の製品がなく(付属品の個別販売や、輸入品を当たれば別ですが)、Amazon.co.jpや量販店で購入できる選択肢としては唯一のものなので致し方ありません。

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