2012年03月20日 (火)

風ノ旅ビト - Journey

※現在、トロフィー「復帰(前回のプレイから一週間以上たってゲームを再開する)」待ちで一週間の小休止中。後ほど追記予定。ちなみに、本作の過程でトロフィーレベルが15の大台に到達したのですが、それが「風ノ旅ビトのゴールド・トロフィーで」というのが何とも言えず小さな幸せ。


国内でも高い評価を獲得しているflOw、Floweryのthatgamecompanyが贈る最新作・風ノ旅ビト(原題:Journey)。ちょっと捻くれた人に掛かると、せいぜいアーティスト気取りの雰囲気ゲーくらいの扱いしか受けて来なかったthatgamecompanyのタイトル群ですが、今回は正直、やられました。「ゲームか、アートか」という部分で、その区別、境界が曖昧なのはいつも通りですが、初回プレイ後の放心状態にも似た脱力感、そして繰り返し遊ぶことでの心地良い疲労感を経て、「すごいゲームだった」というのが率直な感想です。

情感豊かな風景と、宗教観に満ちた世界。例えば、ICO、ワンダと巨像的な文脈で語るとすれば、雰囲気ゲーとしても最高峰であることは間違いなく、ただステージを彷徨い歩くだけでも、美しいビジュアルとサウンドは情緒に訴えかけて来ます。

風ノ旅ビト

しかし、本作は一期一会のオンラインが秀逸。プレイスタイルはいわゆるCo-Op(協力プレイ)で、チャプター2から他のプレイヤーとマッチングすることになりますが、ルールは特殊で、進行状況が同じ人と自動的に遭遇することになります。だから、全ステージを通して同じ旅人と歩みを共にすることも可能だし、逆に、途中ではぐれるなどして進行度に齟齬が生じると、いつの間にか別の旅人と入れ替わっていたりします。エンドクレジットで旅を共にしたプレイヤーの名前が確認出来ますが、XMBの「一緒に遊んだプレーヤー」リストには登録されません。まさに一期一会。

風ノ旅ビト

そんなシステムだからこそ、思わずイチャイチャしたくなる愛嬌のいい旅人、素っ気なくぶっきらぼうでオンリーロンリーな旅人、座して旅人を見送る地蔵プレイの尼の僧、遠く彼方に見える旅人の痕跡、そのどれもが愛おしい。互いに言葉は無く、意思疎通の手段は○ボタンのポワポワだけ。しかし、それが却って全8ステージの旅路を印象深いものにしています。これ以上も以下もない、過不足なく“ど真ん中”でしか有り得ないバランス感覚は見事としか言い様がありません。

付け加えるとすれば、今回は操作系もシンプル。例えば、Floweryなどは、意外と6軸操作というのがネックになるプレイヤーが多く、せっかく興味を持っても操作方法を聞いただけで食わず嫌いしてしまう人、或いは、いざ取っ付いても独特の操作感とカメラワークに酔い潰れて断念してしまう人などが散見されましたが、風ノ旅ビトではスタンダードなスティック操作に対応しているので(モーションセンサーでカメラを操作することも可能)、手軽にスピード感、浮遊感、爽快感といったフィードバックを味わえるのもポイントです。

上田文人をして「暇潰しのコストパフォーマンスではなく、感動のコストパフォーマンスが高い希有な作品(要旨)」というのは言い得て妙ですが、こういったゲームが、日本発でなく海外から入って来てしまうことに一抹の悔しさも感じます。それほど、侘び寂び的な日本人の美意識にもフィットするよく出来た作品です。正直、私などではこのゲームを語る言葉を持ち得ず、どんなフレーズを並べ立てても陳腐に聞こえてしまうので、是非、ノイズをシャットダウンして、実際に見て、触って、感じて欲しい。


PS3オンライン配信専用タイトル・風ノ旅ビトは、PSNで好評配信中。flOw、Floweryいずれかの購入者は1,200円→1,000円にディスカウントされます。

リンク:http://www.jp.playstation.com/scej/title/kazenotabibito/

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