2012年08月26日 (日)

Pt|デビルメイクライ HD

さて、今夏のハイライトを飾ったPS3タイトルの一本に数えられるのが「Devil May Cry HD Collection」収録のデビルメイクライ HDではないでしょうか。個人的な評価で言えば、オリジナルはPS2でも5本の指に入る傑作アクション。HDリマスターが施された“古典”に再び邂逅することで、名作の誉れはここまで色褪せないものかと、感動を新たにしたところであります。

プレビュー

一先ず、初陣こそ「勢い余って始めてしまったけれど、これはパンドラの箱だったかもしれない。こんなに難しかったっけ?」というテンプレ通りの反応を引き起こし、なまじPS2時代にやり込んでいただけに、プラチナ・トロフィーまで持たない───即ち、「思った以上に早く飽きるのではないか」という恐怖感に苛まれたものの、色々と重い荷物を背負いながらようやく一周目も終盤に差し掛かる頃には、「意外に覚えているな」という部分と「結構忘れているな」という部分が半々くらいで、なかなか新鮮な感触を覚えていました。

一つには、フィールドのグラフィックが想像以上に綺麗で、下手なHDゲームにも見劣りしないスケール感のあるビジュアルであったことが挙げられますが、優れたルック&フィールと、アクション&アドベンチャーとしてのバランス感覚こそが1の醍醐味。それがPS3世代にあっても未だに古さを感じさせず、スタンダードとして通用すると言うのは、ある意味ではDMCが孤高のゲームであることの証左であり、ある意味ではそれを超える後発が続いていないからこその望郷であって、似非ゲーマーとしては喜ばしいような寂しいような複雑な気持ちです。

とはいえ、今回は「なんとかトロフィーコンプ」といった塩梅。トータルで5周、プレイ時間はゲーム内表示で19時間弱───相変わらずDMDは4周分フルに貯め込んだホーリーウォーターとアンタッチャブルのゴリ押しに終始し、掃き溜めのゴミには勿体無いガッツある強敵達が跋扈する魔窟を前に、ガチンコでやる腕力も気力もありませんでした。

雑感

DMCとは、即ち「至高のB級活劇として完成された存在感」の魅力でありますが、一方では、フィジカルもメンタルも衰えた今だからこそ分かるカメラワークの凶悪さと操作性の悪さ。DMCとて決して完全無欠なゲームではないんですよ。さりとてDMCを傑作足らしめているのは、やはり一にも二にもそのバランス感覚であろうなと。例えば、敵との攻防における駆け引きの機微を錯覚させる緩急自在なAIと、(今となっては意図的にそうしたとも感じられる)ややもっさりとした、しかし瞬発的な回避能力に優れるダンテ=プレイヤー性能の噛み合いっぷりであったり、将又、突き詰めればどこまでもハードで歯応えのある周回プレイが可能な反面、仮想アーケードモードのノリでワンコインプレイも可能な手軽さであったり、そういう諸々を引っ括めたバランスの良さです。

ここまで神懸かり的なバランスの良さというのは、単に完成度を指向するだけでは到底実現し得ず、幾つもの偶然が重ならなければ成就し得なかった次元のものですが、その機運を引き寄せたのも、エグゼクティブ・プロデューサーの三上真司、そして、ディレクター神谷英樹率いるチームリトルデビルズの力であろうと。

改めて思うのは、神谷ディレクターありきのゲームであるからこそのエゴ。どちらかと言えば一頃ゲーム業界で蔓延していたクリエイター病の渦中にあり、或いは揶揄されていた類いの、元々が露出好きな御仁ではありました。開発者とユーザーの距離感が良くも悪くも近しいものとなっている現在、正直なところ、割と頻繁に垣間見れる氏のアクの強いキャラクターについては「相容れないな」という部分も段々ハッキリとしてきたのですが、他方、その職人気質の開発ポリシー、少なくともDMCにおけるゲームデザインと細部にまで行き届いたこだわりの数々は、伊達に“スタイリッシュディレクター”の名を欲しいままにしていないな、と。その認識が揺らぐことはありませんでした。

追伸

ただ、一点「Devil May Cry HD Collection」自体にケチを付けるとすれば……実際のところ、あのDMCが、クッキリ、ハッキリ、それはまあ美麗なテクスチャと共に720p出力されているだけでもある種感動的ではあるのですが、しかしながら、本作はHDリマスターとしては決して品質の高い部類に入るパッケージではありません。

各種のバグや調整ミス、一部HDコンバートが不完全な移植完成度の問題は、開発を担当したPipeworksの技術力不足と、或いは、カプコン側が提供する素材や予算の都合(要は手抜き)によるところが大きいと考えられており、そこに“お手軽アップコンバート”以上の価値を見出すことは難しいでしょう。例えば、コンソール向けのHDリマスターとしては、God of War、ICO、ワンダと巨像、メタルギアソリッドHDなどで実績のあるBluepoint Gamesが理想的なデベロッパーの一つとして挙げられますが、投資家の顔色ばかりを伺いがちな業界事情、社内事情、宗教事情はどうあれ、昨今の“コストを惜しんでブランド価値を顧みない”カプコンの外注姿勢を鑑みれば、仕事はこなすがギャラも取る、即ち、それなりにコストの掛かる委託業務を発注することは有り得ないので、その結果も推して図るべしといったところ。

無能な首脳陣によって、幾度となく繰り返されて来た歴史の必然とはいえ、バイオハザード派生タイトルの中でも屈指の商業的価値とブランド評価を誇るマスターシリーズが、“名倉”も含めてこのような扱いを受けることは、至極、残念無念であるとしか言い様がありません。

トロフィーカードステータス

レベル:16(14%)

プラチナ:31
ゴールド:133
シルバー:389
ブロンズ:1330

トロフィー数:1883

タイトル 獲得率 (%)
【NEW】Crysis ↑100
【NEW】Crysis 2 ↑78
【NEW】Frogger Returns ↑100
【DOWN】Modern Warfare 3 ↓89
【DOWN】アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス ↓51

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