2013年04月22日 (月)

佐藤琢磨 INDYCAR 初優勝祝賀

やった……遂にやったぞ!苦節云年、御年36歳(!)となる我らがヒーロー・佐藤琢磨、新天地アメリカン・トップ・オープンホイールでの悲願の初優勝成就たる。

4月21日、カリフォルニア州ロングビーチで開催されたIZODインディカー・シリーズ第3戦トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチで、予選4番手からスタートした佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)は、レース中盤でトップに立つと安定した速さを見せそのままトップチェッカー、日本人初となる優勝を飾りました。

インディカー・シリーズ挑戦4年目、通算52戦目にして、悲願のキャリア初勝利を挙げた琢磨。1990年にヒロ松下がCARTシリーズに参戦して以来、日本人ドライバーがアメリカのトップ・オープンホイール・カーレースで優勝を飾るのは初めてのこと。これまでは武藤英紀と佐藤琢磨自身が記録していた2位が最上位でした。琢磨にとってはF3時代の2001年マカオGP以来の優勝、AJフォイト・レーシングにとっても2002年以来の久々の勝利となります。

Photo:2013 INDYCAR Rd.3 Toyota Grand Prix of Long Beach

Sato becomes 1st driver from Japan to win race(© INDYCAR)

いやぁ、何せ映像を見ていた訳ではないので興奮というよりは感慨深いのだけど、正味なところ、実感としてはやっと、遂に───という印象です。

というのも、2007年のカナダGPを筆頭に、F1シリーズ参戦末期のスーパーアグリF1時代に琢磨が魅せた輝きの数々は、日本人エースドライバーとしての円熟を予感させるには充分なものでしたが、如何せん遅咲きに失し、これからというところでF1のシートを喪失せざるを得ず、新たに活躍の場を求めたインディカー・シリーズへの適応には苦戦。

それが、記憶にも新しい昨年のインディ500、優勝争いの末のファイナルラップでの劇的なクラッシュを始め、チームのミスや不運に見舞われつつも、地力、実力としては何時頂点に立ってもおかしくない、優勝は時間の問題という機運、流れは確実に出来上がりつつあった訳です。CART、Champ Car World Series、IRLを通しての日本人初となるポールポジションを皮切りに、3位表彰台、2位表彰台と来て、優勝だけが足りなかった。だから、今回の優勝は成るべくして成った果実という感じです。

何にせよ、おめでとう。2004年のF1シリーズでは、アメリカGPでの3位表彰台以降、一発の速さとは裏腹に結果は伴いませんでしたが、こうして元F1ドライバー、表彰台経験者という肩書きに加えて、トップ・フォーミュラでの栄誉あるウィナーとしての称号が与えられる暁には、今度こそ、ここからの更なる飛躍と巻き返しを期待したい。まずはインディ500での雪辱とオーバルでの初勝利を期待したいところですが、実は今回の優勝でドライバーズポイントランキングでは2位に着けている琢磨、願わくば表彰台の常連化と合わせて、シリーズチャンピオン争いにも加わってくれると嬉しい。

惜しむらくは、こういった記念すべきシーズンに限って地上波での中継がないことか。日テレもあと数年粘ってればねぇ。

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