2013年08月05日 (月)

Now Playing|Suspicious Minds (Viva Elvis)

今日の歴史上において、あまりにも偉大な伝説のロックンロール・ミュージシャン、Elvis Presley。今回のレコメンドは、コンセプト・アルバム「Viva ELVIS」に収録のSuspicious Mindsから (Viva Elvis) 新録音バージョン。

Image:Suspicious Minds (Viva Elvis)

[生誕75周年記念] 21歳のエルヴィスが2010年に聴かせるロックンロール

キング・オブ・ロックンロール"エルヴィス・プレスリー"33年振りの新録音作品!!アーティストに多大な影響を与えたキング・オブ・ロックンロール、エルヴィス。生誕75年となる今年、エルヴィス・プレスリー・エンタープライズとラスヴェガスで行われているシルク・ドゥ・ソレイユの公演『Viva ELVIS』との協力のもと、「21歳のエルヴィスがこの21世紀にニュー・アルバムを制作したらきっとこんなサウンドを創り出していたに違いない」というコンセプトにもとづき、エルヴィスと彼の音楽を21世紀に讃えて、全く新たな方法論(エルヴィスのヴォーカルトラックを残しつつ、新たなるサウンドを革新的にクリエイト)で制作が行なわれた。その過程ではエルヴィスが残した無数のアルバム、フィルム、ライヴ録音、インタビュー他、3,000時間以上を費やして聴き直し、曲を17,000以上サンプリング。プロデューサーにはシルク・ドゥ・ソレ・イユの音楽プロデューサーを務めるHugo Bombadire&Erich Letourneau。エルヴィスの音楽を未来の世代へつなぐ架け橋となる作品が完成した。収録曲はまさにエルヴィスのベスト盤という選曲になっている。

Amazon.co.jp:Viva ELVIS

本作は、Avril LavigneのSmile [from Goodbye Lullaby] と並び、HD598〜HD650期のAV機器のエージングに最も貢献したマスターピースの一本。一昔前のElvis復古ブームではかなりのリミックスが量産され、中でも2000年代初頭にNIKE FootballのCMに起用されたElvis vs JXLのA Little Less Conversationなどは有名ですが、Elvisのリミックス音源としては恐らく最もお気に入りの楽曲の一つ。PVも素敵です。PSストアのミュージックビデオコーナーにもラインナップされているはずなので、未見の方は是非。

というのも、当の馴れ初めこそがまさにそのPV。PSストアも初期の頃は今にも増してビデオコーナーのやる気がなく在庫が不足していたので、そんな閑散とした売り場を「ろくなもんがねぇなぁ」と毒づきながら手持ち無沙汰に彷徨っていたところ、どういう訳かSuspicious Minds (Viva Elvis)のジャケットが目に留まり、どういう訳か衝動買いと相成ったのがこの作品。まさに運命的としか言い様がない出会いだな(キリッ!

さて、「Viva ELVIS」プロジェクトが内包する狙いとして、「21歳のエルヴィスが21世紀にニュー・アルバムを制作したら」というコンセプト、「17,000以上のサンプリング」、「エルヴィスの音楽を未来へとつなぐ架け橋となる作品」という性格上、これは純粋にElvisを懐古する為のものではなく、現代に蘇るElvis像を、全く新しいElvisの概念として楽しむべき作品であります。私にとっては何よりもそこが"だからこそのお気に入り"と言えますが、それ故に、熱心なファンの中にはこのパッケージ自体に可能性を見出せない、価値観が相容れないという一種のアレルギー反応を引き起こしてしまう人情と言うものも、理解できないところではありません。その辺は、個々人の音楽的志向と偶像に対する熱量の差で、微妙な匙加減の一つを取ってもたやすく揺らいでしまうところではあるのでしょう。

しかし、それにしても楽しい。血が騒ぎ、魂が踊るElvisの歌唱の魅力を損なうことなく、そこに今風のモダンなバックトラックが絡み合うだけで、ここまで色っぽさに拍車が掛かるのだ。勿論、そこには出色のエンターテインメント性とElvisへのリスペクト(この言い回し嫌い)があることも忘れてはならない。破壊的なリ・イマジネーションではなく、あくまでも俎上はコラボレーションの一環なのだ。上記のElvis vs JXLがアグレッシブなリズムとテンション↑↑なスタイリッシュさ、ロックンロールの"ロール"に重きを置いた華麗さだとすれば、Suspicious Minds (Viva Elvis)は差し詰め、静かな高揚感をたたえ疾走感にみなぎる、ロックンロールの"ロック"に重きを置いたきらびやかさといったところ。

PVでスポットライトを浴びるElvis、電飾スクリーンに浮かび上がるバックバンドのシルエット、まるでU2ばりの電脳空間でライブステージを繰り広げているかのような映像は、どこか恍惚とした印象を与えます。

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