2013年10月21日 (月)

訃報・天野祐吉さんが死去

私の人生哲学、思想哲学を語る上で欠かせない、その基礎に影響を与えた現代のメディア賢人の一人である天野祐吉さんが死去しました。享年80歳。

天野祐吉さん死去 「広告批評」「CM天気図」:朝日新聞デジタル

私の入り口は、やはり「メディアで拝見する好きな著名人」の一人として氏を挙げていた母者で、こうして森毅氏に天野祐吉氏と来ると、我ながら「ああ、如何にも……」という感じですが、物事を斜めに読み説くユニークな視点、軽妙な語り口で消費社会に鋭く切り込むメディア批評、広告論には唸らされる部分が多く、思わずポンと膝を打つような気付きを与えてくれることもままありました。

といっても、それは現役時代までの話。いわゆる既存のレールから脱落し、広く社会から隔絶された環境に身を投じてからは、毒にも薬にもならない洞察論、ともすれば軽薄にも映ってしまう氏の問題提起からは距離を置いており、かといって私にとっての先人であることには変わりはなく、何とも複雑な心境を覚えていました。心身を患い、挫折を味わい、社会的な弱者としての不自由な生活に甘んじなければならない時、ちょっとした思想や哲学は転換を迫られます。感情のコントロールと思考の再構築、その開き直りの過程で、残念ながら晩節の氏の言葉は私の心には響かず、オールドメディアにおいて一時代を築いた過去の人、という扱いに収斂されていた印象です。

ただ、日本のネットの風潮として、こういった一見飄々とした識者は、例えば「朝日新聞を叩いてさえおけば喜ぶ馬鹿」といった類いの人種のヘイト対象にされることも多く、忸怩たる思いがあったのも事実。個人的に、そういった有象無象とは断固として一線を引いておきたい。私の氏に対する慧眼の誉れと虚心とが相半ばする目線は、常に真摯ではあったと、そう思いたいものです。

謹んで合掌。

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