2013年12月26日 (木)

ニコニコ実況 on torne

さて、過日、チャプター自動生成機能に対応したnasne v2.10と併せて、torne v4.5のアップデート配信が開始されました。

正直、UIとしての基礎があまりにも優秀なトルネには不満らしい不満はなく(音声出力の仕様はもう諦めました)、何より母艦であるPS3もいい加減枯れて来ているので、もう大きなアップデートもないだろうなぁと思っていたのですが、ここに来てのニコニコ実況への対応は、最強クライアントの座を更に揺るぎないものにする、恐るべきクリスマスプレゼントであったと言えましょう。"One Sony"の成果を着々と積み重ねるナスネに対して、SCEのセンスが光る「生 + 非同期性」を特徴とするトルネのニコニコ実況連携は、これが思いの外、テレビコンテンツの在り方を変えてしまうほどの可能性を秘めた、画期的な機能だったのです。

【西田宗千佳のRandomTracking】torne「ニコニコ実況」とnasne「自動チャプタ」誕生の理由 - AV Watch

して、ニコニコ実況という存在が僻所にある、ということは以前より何となく把握していましたが、これを機にちょっとだけ調べてみると、実は随分とアクロバティックなことをやっているんですね。液晶テレビ・BRAVIAなどでも試験的な試みはあったようですが、大成とまでは至らなかった辺りに、コンテンツ事業者とテレビ業界も含めた関係者の涙ぐましい努力の痕跡が伺えます。

で、話を戻すと、シーンサーチを活用した時系列毎のコメント数のグラフ可視化という、パーソナルデータロガーの側面を持つトルネらしい機能もあるのですが、やはり白眉は実況そのもの。ニコニコ動画本体と違って、割と(あくまでも割と)ノイズが少なく、純度の高いニコニコ実況は、Twitterストリームよりもライブ感があり、それこそ2ch実況板のレスをそのまま画面に流している感じで視聴できます。スクリーン一面に草が生えているだけでもそれはそれは賑やかしいですし、これが想像以上に楽しい!

勿論、2ch文化圏(と見ていい)特有の功罪はあるので、この手の茶化し、賑やかしが合わない作品もあるでしょうが、例えば「仮面ライダー鎧武」のような、単体では酷く低調でつまらない番組であっても、この機能があれば継続視聴も苦にならない、かもしれない。

そして、何よりアーカイブがあるというのが強烈。つまり、過去のビデオ(録画データ)も、ニコニコ実況のログさえ残っていれば実況コメントありで視聴できるのですよ。このアップデートをもっと早く知っていれば、削除せずに保存しておいた番組もあったのになぁ、とちょっと勿体無い気持ちになりました。もういい加減、ニコニコ運営にお布施するのは嫌だったのでプレミアム会員からは退会しようと思っていたのですが、「ニコニコ実況 on トルネ」が面白過ぎるという理由で、また当分、退会できそうもありません。いやぁ、まいった。

結局のところ、やはりAPIがあるのは強いなぁと。良くも悪くもアグレッシブな性格は引き合いますし、こうしてWebサービス自体が拡張され、他のプラットホームと融合することで見えてくる成長もあるでしょう。何にせよ、未だにアップデートに意欲的であるというトルネの規格外ぶりにも助長され、ニコニコ実況はトルネをもってようやく完成された感があります。ニコニコ実況のキラーコンテンツ化、これが彼のサービス本来の姿である。

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