VILLAGE|VCM1チェア 8VCM1A
Posted by ramhorn05j
かれこれ5年だか10年ばかり、従来は(確か時価で5,000円もしなかったような)エレコムの安価なOAチェアを使用していて、これが座面は硬く無骨で、かろうじてガスシリンダで座上下調節が出来るくらいの大した機能性もない質素なものだったのですが、まあデザインは悪くなく、小さな部屋の小さな学習机にコンパクトに収まるサイズは丁度良かったので、薄手の座布団クッションを宛てがいながら騙し騙し使っておりました。
が、ここ数年は経年劣化に伴い相応のガタが来ており、文字通り軸がガタ付く、ガスシリンダの保持力が弱まるなど日に日にコンディションが悪化しており、いよいよ身体にも悪そうだということで、ようやく重い腰を上げて買い替えることにしたのが吉日。今回迎え入れる個体の使い勝手によっては、デスクチェアを中心とした基地化も計画していて、色々と無駄が多い部屋のレイアウトを見直し、現在、Mac用とゲーム用に別れている液晶ディスプレイを、あわよくば一本化したいという野望も込み込みでの買い物であります。
それにしても、椅子選びというのは難しいです。人それぞれに体型も体質も違う、それでいて、実際に座り心地を試すことなく、カタログのみを手掛かりに最適な物件を探すというのは至難の業です。なので、今回は多少奮発して価格帯のレンジを広げつつ、プレジデントチェアのような(間取りの問題で)組み立てや搬入が困難なものは除外、アームレストのないシンプルタイプに絞って誤謬を最小限に抑えつつ、その上で製品ブランドの付加価値を優先しました。
チョイスしたのは、オカムラ(岡村製作所)のオフィス向け家具VILLAGEシリーズより、VCM1 8VCM1A-FHR2。色々と理屈を語ってはみたものの、実際に買うことになるのはこういう直感で選んだ製品なので始末が悪い()。評判の良い同VC2と最後まで迷いましたが、VC2の19Kに対してVCM1は16Kと若干価格が安いことと、売れ筋商品ということでこちらを選択。濃い目のブルーや発色の良いオレンジも上質なカラーに見えるのですが、部屋の基調を考えて今回は無難なグレーにしました。正解だったかどうかは分かりません。
さて、オカムラのVILLAGEシリーズは、ワークシーンで求められる生産性と快適性を、高いパフォーマンスで実現するブランド。中でもVCチェアは、長く座っていても疲れにくい快適な座り心地を、高品質のエルゴノミック思想とデザイン性で仕上げた製品です [VILLAGE:VCシリーズ製品紹介]。以下、アマゾンの登録情報より。
- 長期間のオフィスユースを前提としたJIS(日本工業規格)に基づく強度、耐久性の試験をクリアした製品です。
- シンクロロッキング機構:背と座が連動して傾き、背によりかかっても座前縁部が持ち上がらず、大腿部を圧迫しないリラックス性の高い機構です。背は5段階で固定できます。
- 組み立てや解体が簡単にできるノックダウン構造なので、搬入時にも便利です。
- 商品サイズ:幅64.4×奥行64.4×高さ89~98.6cm 座面高さ43.5~53.1cm
なかなかと"そそる"謳い文句が並びますが、工作精度が高く、組み立ても超簡単なので、実際のところ非常にお手軽です。説明書通りに背部と座部を付属の六角ボルトで留めて、あとは脚→座高調節シリンダ→座部と順にブロックを差し込んで行くだけなので、普通の健康な大人であれば10分もあれば組み上がるのではないでしょうか。
使用感としては、まあ、割と普通のオフィスチェアです。ただ、これまでに使っていたモノがモノだけに、デザイン性と質感の高さは、ある種の高級感と表現しても差し支えないもの。座のクッションは柔らかめなので定位置を決めるのに多少の慣らしが必要ですが、幅の広い背もたれにはゆったりと身体を預けられるし、メッシュ状は見た目に反して背中を包み込むようなフィット感が優しい。圧迫感がなく、透過性と通気性の良さはこれからの季節にもピッタリです。
総じて、感触の良さと、無理のない姿勢で長時間デスクに張り付ける懐柔性は、概ね「快適な座り心地」と評せるものです。うっかり"うたた寝"することも容易なリクライニングチェア───とまでは言いませんが、それこそこの価格でこの品質を実現できるコストパフォーマンスには驚かされるので、椅子とは高いだけが能ではない、ということですね。
追記
とりあえず一ヶ月使用してみた感想としては、このVCM1というヤツはなかなかどうしてますます良い。適度な反発力で臀部を支える広めの座クッションが優秀。スペース的に無理のない広々とした環境で、姿勢の良い健康な大人が使えば、半日座っていても疲れないのではないでしょうか。自分の場合はそうではないので疲労しますが、それは椅子のせいではないですしね。
些細な不満を挙げるとすれば、ロッキング機能が意外とショボイこと。あまり深い角度まで傾斜せず、傾斜させるにしてももたれ掛かるように背中を預けるだけでは駄目で、爪先を立てるような感じでかなり足腰を踏ん張る必要があるので、あってもなくても変わらない程度のおまけ、と考えるべきでしょう。
また、唯一残念な点があるとすれば色選びに失敗したことか。薄いグレー生地にゴム状のステッチがアクセントとなった素材は、端的に言えばジジ臭いと言うか。経年劣化に伴う汚れや黄ばみなんかも目立ちそうですし、下手に基調などを気にせずに、素直に単品として映えるブルーかオレンジを選択すべきでしたね。
追記2
一年ほど酷使していますが、相変わらず快適な座り心地で疲労感を感じさせないVCM1。少なくとも、臀部が痛くなるとか、尾てい骨が床擦れして......なんてことはあろうはずもない逸品です。この頃合いになると、ロッキング機構もいい具合に磨耗してくるので、軽く背もたれに寄りかかるといい具合に傾斜して揺籠を揺らしてくれます。
総じて、素晴らしいコストパフォーマンスと満足感を提供していくれている優良物件ですが、一つだけ気を付ける点があるとすれば、座クッションの座り位置決めには注意しましょう。
これは要するに緩やかな形状記憶繊維とでも言うのか、連日長時間使っていると、徐々にお尻の形にフィットした凹みが座クッションに浮き上がってきます。一度お尻の窪みが出来上がってしまうと矯正することは難しいので、例えば、座クッションの右半分にだけ座る癖がある(偏ったテンションが掛かる)───といったような場合はそのように座クッションが変形してしまうので、あまり定位置を作らないか、意識して姿勢を正しく使うよう心がけましょう。