2014年11月16日 (日)

月刊少女野崎くん

Destinyシフトのお陰で色々なものがすっかり積み上がっている今日この頃、如何お過ごしでしょうか。ということで、そろそろWHITE ALBUM 2のトラウマも疼こうかという季節になって、ようやく夏期アニメの録画視聴を完了。

いつも通り完走できた作品自体が僅少なので横断的な観測は難しいのですが、東京喰種などのシリアスタッチな原作ものや、昨今バブっているロボットものが思うような伸び代を示せない中、相変わらず視聴者側のコンディションを問わない、肩の力を抜いて楽しめる日常系が俺に人気。

中でも今夏は、あの少女漫画雑誌「なかよし」からの刺客として恐るべきポテンシャルを発揮した「さばげぶっ!」と、4コマ漫画をTVアニメ化した「月刊少女野崎くん」が文句無しのツートップ。奇しくも、どちらもニコニコ動画向きの素材でありながらレギュラーでの公式無料配信は無かった作品ですが、しかし、そんな時でもtorne PS4 + nasneさえあれば何時でも実況ブーストをONに出来るのだから、いい時代になったものです。

さて、完成度と面白さにおいては頭一つ抜けていた印象がある「月刊少女野崎くん」ですが、制作は「未確認で進行形」でお馴染みの動画工房。

「月刊少女野崎くん」は、とにかくキャラクターの個性が際立っている作品なので、ベースに手を入れなくても登場人物を動かすだけで勝手に話が転がって行くタイプの作品だと思いますが、その「"それらしく"登場人物を配する」ことにさえ困窮する作品が多いご時世に、原作のイメージを正しく最大公約数のインパクトで咀嚼してみせる辣腕は見事という他ありません。さり気ない演出で畳み掛けるギャグパートの質の高さは、"見せ方"を分かっている仕事人が持ち前のセンスで穿ちた、丁寧な描写の積み重ねの賜物。原作の良さは勿論大前提にあるでしょうが、この安心と信頼のクオリティは只事じゃない。

BGM芸のような、バラエティ番組のトレンドをも取り入れた演出と、更に勢いよくテンポを増した小気味良いコント劇、そして、合間合間に挿入される千代ちゃんの変顔。ラブコメの波動を微塵も感じさせないギャップが最高です。

一方で、特筆すべきは新人声優の起用術。佐倉千代役の小澤亜李さんは、私の中では何となくゴルベーザあさこを彷彿とさせるものですが(あくまでも何となく)、表情豊かで、棒・迫真・拒否・歓喜などのニュアンス表現が秀逸な彼女は、「未確認で進行形」のカッター女史同様、今後の活躍に期待できる芸達者ですね。

今回は「未確認で進行形」とは違い、オンタイムでラブコメディとしての進展があった訳ではないですが、ストーリー自体は地続きで進行しており、例えば「セーラー服オチ」のような直接的な伏線の回収を盛り込む場面も随所に見て取れます。帰納的な起承転結があるドラマではないので、半ば切ない打ち切りエンドになってしまうのは致し方ないものの、時間の流れと経過はしっかりと劇中で描かれているので、1クール1パッケージとしての満足度は高いです。

何より、深夜アニメの場合、原作を読んでいること前提、原作で補完すること推奨───みたいなぶん投げ作品も多いじゃないですか。その点、原作未読でも楽しめる「月刊少女野崎くん」は、単体の映像作品として完結しているのが嬉しいですね。やはり、このスタジオの「4コマ漫画原作を連続アニメとして書き起こし、再構成する」手腕は尋常ではない。今や全俺の中で動画工房株はストップ高です。

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