2015年02月01日 (日)

愛犬、没す

さて、過日、我が家の愛玩カルテットの片割れにして、最古参の長老犬であるミニチュアダックスフントのH氏が死にました。享年14。

最終的には心臓腫瘍からの肺水腫による病没なのですが、直近の一年を振り返っても、目眩、眼振、嘔吐等を伴う重度の腹膜炎を併発するような肉腫に蝕まれ、既にその時に亡くなっていてもおかしくなかったと獣医師に驚嘆されるほどの病魔を乗り越えてきた彼女。流石にここ半月ばかりは日に日に衰弱して行きましたが、それでも耄碌することなく意識はハッキリしており、余命1ヶ月を宣告され、年越しは難しいと家族が覚悟する中で平然と年を跨ぎ、体が食べ物を受け付けなくなってからも食欲自体は失うことが無かった。

最期は飼い主代行の妹者と、次いでヒエラルキー第2位の母者に看取られましたが、その死に顔はまさに“安らかに眠る”表情そのもので、まるで明日の朝になればまた普通に起き上がってきそうな、いつもと変わらない夢心地の寝顔が、逆に何とも言えない物悲しさを漂わせておりました。

Photo:HNちん14歳?

在りし日のH氏近影。写真は妹者のライブラリより拝借。

当犬との生活よりも血統証明書の方が大事な毒親と、お里が知れる愉快な魑魅魍魎が跋扈するこんな家に貰われてしまったばかりに、碌に散歩にも連れて行ってもらえず、屋内の一角に閉じ込められ、躾の不十分さから素行が悪いと叱られ、避妊手術を先延ばした影響で定期的にホルモンバランスを崩しては疑似妊娠に苦しだりもして、果たして、幸せな犬生だったかは甚だ疑問だけれど、上記のようにそれはそれは生命力の強い子で、「平均寿命を全う」という言葉では語りきれない余生を精一杯生きてくれたので、その強靭さには敬服します。治験も含め、ここ半年ばかりは抗がん剤治療に尽きっきりだったのにも関わらず、お骨もそれはそれは立派なものだったそうで、この呪われた一家にあっては本当に不思議な子でした。

死期を察したのか、師走以降は我が家の女王である老猫J氏もすっかり落ち着きが無かったのですが、近年は重度の認知症患者である祖母の介護を筆頭に、家中がなんやかんやとバタバタしていたので、H氏共々、彼女もようやく一息つけるのかもしれません。

晩年は飼い主代行の妹者と二人三脚で歩んできたH氏なので、せいぜいご機嫌を伺う程度だった私の出る幕はありませんが、インターネット葬などと大それたものではないけれど、自分の中でのけじめ、区切りとして彼女の痕跡の一部をここに書き記し、哀悼の意を捧げます。合掌。

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